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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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真理子の勇気

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灯油がないよ


この話は平成5年位の事である。
北関東でも南に位置するここA市ではストーブの使用は12月からであった。
その使用期間は灯油の予算次第であった。
その年はとても寒く、毎日5リットルの灯油が配られるのだが、とてもそれでは間に合わなかった。
午後になると灯油切れになってしまった。
灯油の管理室は別に鍵はかかってはいない。
ふつうは掃除の時間に空の容器と交換に新しい容器を貰う。
そのプラスチックの容器にはクラス名が書いてある。
要領のいいクラスは、灯油倉庫に行き灯油を入れてくる。
それは違反であるが見て見ぬふりをすることが多かった。
作品名:真理子の勇気 作家名:吉葉ひろし