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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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☆ノベリスト物理学賞 受賞作☆

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あなたが先日投稿された
『ノベリストなんてクソだ』が
ノベリスト物理学賞を受賞されました。


新着メッセージがあります(1)。


普段見慣れない赤文字にびっくりして、
メッセージを読んでさらにびっくりした。

ノベリスト物理学賞?

聞いたこともないが、
毎日毎回、運営削除すれすれを投稿していたので
その攻撃的な姿勢がよかったのだろう。

さっそく、このことをエッセイにまとめて投稿した。


『どうもノベリスト物理学賞受賞者です』


瞬く間に、今週の人気小説ランキングを駆け上がり
コメント欄は読み切れないほどあふれた。


>物理学賞ってなにをしたんですか!?
>運営からもらえると何があるんですか?
>なんであんなゴミ小説が受賞するんだ


どうして受賞できるかなんてわからない。

「ただ、一言言えるのは、俺はお前らみたいに
 人の作品の悪口をぐだぐだ言わずに
 いつも挑戦的な作品を投稿していたってだけだな」

きっとその姿勢が評価されたに違いない。
文句や愚痴を垂れ流すだけのこいつらとは違う。


俺の受賞から数日後、みんな多く作品を投稿するようになった。

「まあ、どれも俺の二番煎じって感じだがな」

当然、どの作品もノベリスト物理学賞はおろか
何か賞を獲得するようなこともない。

「さて、この調子で作品でも出そうかな」

物理学賞受賞者が愚痴や批判系の作品を出しては、
俺の品位を疑われかねない。


『四季折々の風景 -秋-』

『素晴らしき哉、食事』

『スポーツとペンギンの有効性について』


物理学賞受賞後、俺の作風は真面目に転じた。
この調子でどんどん投稿していけば、また受賞ができるだろう。

挑戦的な内容で受賞したのが物理学賞なので、
ノベリスト助演男優賞とかそんなんがきっと……。


けれど、いくら待てど暮らせど受賞のお知らせはない。


作風を変えたのがまずいのかと、
批判されない程度に挑戦的な作品も出してはみたが……。

「なんで受賞できないんだ!?」

受賞作『ノベリストなんてクソだ』を何度読み直しても、
すでにこの作品よりいいものはいくらでもあるのに。

>本当に物理学賞なんて取れたのかよ?
>実はただのウソだったんじゃね?
>挑戦的なだけで面白くはなかったものな

「こいつら……ここぞとばかりに!!」

こうなったら受賞の理由を聞くしかない。
いかに俺が特別で、
お前らごとき凡才と比べられるべき存在でないことを証明してやる。

「いったい、どうして俺が受賞したんだよ!
 理由と受賞基準を教えてくれよ!!」

俺がかみつくと、ノベリスト運営は答えた。

「基準は、あなたのように
 削除される作品が多い作者が対象です」

「それで理由は!?
 どうして俺が選ばれたんだ!?」

作品を多く投稿していたからか?
常に挑戦する姿勢が評価されたのか?
それとも俺の才能が……


「名前だけの賞でも与えておけば
 売れっ子小説家気取りになり
 おとなしくなって小説削除の手間が省けるでしょう?」