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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 敗北と幸一の運命 7.

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昭和二十年二月十一日、出水海軍航空隊は解散し、一部は朝鮮半島光州市に移転した。代わりに以前分岐した国分海軍航空隊が名称を変えて、第一出水海軍航空隊となった。
当然に磯村幸一はそこの副指揮官として任務を継続していた。

この年の三月十日午前零時七分、279機の大編隊でアメリカ軍爆撃戦闘機B29は東京空襲を行った。今年に入って何度か行われた空襲の中で最も大規模かつ低空飛行から落とされた焼夷弾により下町の深川、浅草、本所、日本橋付近は焼け野原となった。
被害はおよそ10万人の死者と同数かそれ以上の負傷者を出し、三十万世帯近くが焼失した。

政府首脳はこのあと更なる本土空襲や沿岸部への上陸を恐れて、何としても連合軍の飛行基地とならないように沖縄を死守することを決定した。
戦艦大和の出撃はあわただしく決まった。四月三日、連合艦隊主席参謀神重徳(かみしげのり)大佐からの進言を受け、参謀長草鹿龍之介(くさかりゅうのすけ)中将の「一億総特攻のさきがけになっていただきたい」との説得で司令長官伊藤整一(いとうせいいち)中将は無謀だとの難色を翻して、「そうか、それならわかった」と納得して決まった。