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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第十一話

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今日は言い過ぎたと少し反省したが、初めて自分たちのセックスのことで話し合えたことは大きかった。登志子のように体は満足させてもらえていても気持ちが無くなって離婚したいという思いは解る気がする。恭子も一人暮らしが寂しくて身体と愛情が欲しくなっている。一度に二つのことを満足させてくれる男性はそうは居ないだろう。

心がつながったら身体は自然とつながってゆく。身体がつながっても心までつながらないことはあるだろう。その時は感じるのだろうか。そういう疑問も自分の中にはあった。
いまどき女性のために開発されているアダルトグッズは多い。それらで十分満足できるのなら世の中に不倫など、いや身体の満足を求める浮気など起こさないだろう。

自分は何が不満で何が欲しいのか考えていた。夫は経済的にも子供たちへの愛情にも事欠かない良き男性だ。浮気をするでもなく、ギャンブルをするでもなく、会社と家の往復をしている。世間ではよくできた旦那さんだね、と言われる典型だ。
私は専業主婦で子供たちとも買い物に出かけたり、映画を観たりして夫が居ない時間は自由に過ごせている。