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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第九話

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「うん、夫は週に一度は求めてくるの。恥ずかしいけどこの歳で回数は多いって思える」

「えっ?羨ましい。直樹さんは治ったのかしら?」

登志子の言い方は恭子の疑問を誘った。

「何が治ったの?病気でもしていたの旦那さん?」

「恭子違うのよ。訳は貴子に聞いてよ」

「恭子、実はね・・・夫はそのう・・・すごく早いの」

「早い?すぐに出しちゃうっていうこと?」

「そう」

「どれぐらいで?二、三分?」

「ううん、二、三回」

「まさか、本当?三擦り半っていうけど本当なの?」

「恥ずかしいけど」

「恥ずかしいのは旦那さんだよ。貴子がかわいそう」

「そうでしょ、恭子。私が浮気したのもそれが理由だったの。そのことを貴子に言わなかったことは悪かったと思っている。でも途中で気が付いたと思ったけどなぜ別れようと思わなかったの?」

「登志子、結婚するその日までバージンだったの・・・大切にしたいと思っていたから」

「それは貴子の中の美学かも知れないけど、お試ししなかったことは自分のミスだよ。文句言えないと思う」

「登志子、そんな言い方かわいそうだよ。夫として妻を満足させる義務があるよ。それに初めはそうでもこの歳になったらちょっとは鈍感になって長持ちするのが普通じゃないの。よく知らないけど」

「恭子、夫は今までずっと同じことだったの。私が何も言わないから何とかしようとも考えてこなかったのよね。今更言い出しても機嫌悪くなりそうだから言わないって決めた」

「じゃあ、貴子はこのまま我慢してゆくと言うこと?」