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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 開戦と子育て 3

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「幸一さん。整備のお仕事だけで満足はされていないのですか?命を投げ出してまで戦闘機に乗る必要はないと思います。平和な時代が来たら民間の飛行士になればよいのではありませんか?」

「平和な時代をお前たちや子供たちに与えたいからこそ、おれは戦闘機に乗るんだ。そこのところ間違えるな。男は自分の役割を果たしてこそお前や子供たちに立派だと誇れるんだ」

「わたくしともし子供が出来ていたら、その子供のために生きていたいとは思われないのですか?」

「許してくれ。おれはお前のこともこれから生まれるだろう子供のことも世界一愛している。しかし自分が日本国のために戦闘機に乗ることは天皇陛下から戴いた使命であり、これを破ることはもはや日本人男子ではないと言うことになってしまう。それはお前の妻として、生まれてくるであろう子供たちに恥をかかせることになる。それは嫌なのだ」

裕美子は夫の幸一の言葉が解らないわけではなかった。
ここに来る前に観た映画「永遠の0」でもそう言うセリフがあった。当時の日本人男性は多くはそんな意識があったのだろうと考えさせられていたのだ。