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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「妖刀正宗の復習」 最終回

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「いつまで関係ない殺戮を繰り返すのだ。もう復讐などやめて安らかにあの世に戻ればいいではないか?」

「何を言う。お前にこの私の恨みなど解ろうはずがない・・・命は無いと思え」

「恐ろしいやつだなお前は。こうしてやる」

手に持っていた正宗の刀身を足元に置き、刃先を傾けるとそのまま右足で踏みつけ力を込めて真っ二つに折った。それは一瞬の出来事だった。霊となっていたみよは帰る場所を失ってしまった。男がそのような行動に出ることを予想しなかった油断があった。

「どうする・・・正宗はその妖力を失ったのか?」

「何をしてくれる!おぬしは本当は盗賊団の末裔なのであろう。油断をさせておいてこのようなことをするとは、許さぬぞ」

みよは男にしがみつくと全霊を込めて自分の世界へと引き込んでしまった。
翌朝捜査に出ていた派出署の巡査が折れた正宗を見つけて本署へ届け出た。
無残な形で戻された正宗に美術館員は館長と相談をして、永久に正宗を封印した。
証拠は結局確かめられなかったが、これでもう被害者は誰も出ないということだけは予想できた。

発見現場に落ちていた男性の衣服は、東京湾から引き揚げられた車の持ち主のものと一致した。やがて犯人行方不明のままこの事件はお蔵入りし人々の記憶から消えてゆくこととなった。

終わり