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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 開戦と子育て 2

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空いている部屋を二部屋、両親と幸一夫婦のために用意していた。隣同士ではなく、廊下を挟んで向かい同士に配置した。それは新婚夫婦への配慮もあったのだろう。

梅雨が来て蒸し暑くなったが山手の修善寺では夜に蚊帳を吊るほどではなかったのが助かった。六月の終わりごろ幸一は司令官に頼まれたのだろう、女将の腹違いの兄である海軍大将米内光政(よないみつまさ)を伴ってやってきた。
玄関先で出迎えた女将と裕美子は車のドアーが開かれて降りてきた米内に深く頭を下げた。
米内はゆっくりと近づいてきて敬礼をした。

「お待ちしておりました」

女将がそういうと、近くに寄って米内は言う。

「うん、久しぶりだが、変わらないようだな。今日は公務ではないゆえ、無礼講で参ろう。磯村、お前もゆっくりとしろ」

敬礼をして磯村は米内と一緒に中に入った。
中では磯村の両親が挨拶をした。この時代の一般人が米内をみたらどう思うかは想像がつく。裕美子はその点まだピンとこない様子であった。
起立して頭を下げている両親はそれを物語っている。