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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「妖刀正宗の復習」 第五話

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この美術員の意見が採用され、ガラスの展示容器に四方が密閉された状態で再び正宗の小刀は展示されることとなった。
運命は皮肉な形でやってくる。

多くの観客が見物しに来る中で正宗の中に潜んでいたみよの怨霊は数年の経過を経て、一人の男が自分をじっと見ていることに気付いた。
その日朝から昼過ぎまでずっと眺めていたのだ。

家に帰ると男は何やら古い書物を取り出し眺めていた。

「これが持ち主を呪い殺した正宗という小刀なのか・・・」

男が見ていた古い書物は怨恨にまつわる怪奇話を書き綴った江戸末期のものだった。
自分が何故この本に興味をそそられたのかは解らなかったが、ふと見つけたときに惹きつけられたのだ。

何としても手に入れたいとの思いが日増しに高じてくる。
そしてついに我慢が出来なくなった男は深夜に美術館に忍び込み、警備員の目を避けながら正宗の展示室に近づいた。
おそらく扉をこじ開けると警報装置が働いてブザーが鳴り、警備員とやがて警察官が駆けつけてくると予想された。