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流星群

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陽射しが入る窓には ほとんど一日中カーテンがひいてある。でも昼なのか夜なのか時間の感覚がなくならないように わずかに隙間を開けるようにしているのだけれど、その窓を見ないのだから仕方がない。いつまでも頭ん中を駆け巡るフレーズがあると、夢中になって綴ってしまうボクが居る。

キミと出かけたのはいつだったか。ふらりと手を繋いで出かける散歩はとても楽しい。
買い物をすることもあれば、ただなんとなく……こればかりかな……キミと見る風景はなんだかお喋りしているようでボクはこの時間が好きだ。
ただひらひらと舞う蝶も楽しげで すらっと伸びたひまわりの花も語ってくれる。雲がおしゃべりして、太陽が笑うんだ。
どうやって? もちろん熱くギラギラってね。
陰すら見当たらない熱い陽射しの中で、秋の収穫を楽しみに畑仕事をしている人にも声を掛ける。キミの笑顔はきっと彼らの元気か それとも癒しかになっているのかな。いつも何か貰ってる。そんな顔してるのかなぁ、ボクとキミ。
そう、先日は西瓜をまるっと一個貰った。ありがとうと抱えるキミは嬉しそうだったけれど、やっぱり重そうで、ボクは取り上げて持つことにした。でも袋なんて持ってなかったから、大き目の西瓜をまるごと抱え持って散歩するわけにいかず、部屋に帰って食べたね。
そりゃもちろん西瓜はボクが切り分けた。そのことはみんなにはナイショ。ボクとキミの秘密…らしい。まあいっか……
陽射しを浴びて温かな西瓜だったけど、甘くて美味しかった。
「はい、あーん」
いつになってもなれないけれど仕方なく大口を開けるボクの横で 大きな口を開け三日月形に切った西瓜に齧りつくキミの口元からつつぅーと一筋。わざとボクの頬に種をくっつけるキミの頬には知らずに付けている種。
「にゃ?」
いや、しばらく黙っていたら乾燥してぽろっと落ちて気付いたキミの顔は今年のベストショットだったね。愉しいな。
なんだ、すべてキミのおかげだね。ボクはそう思った。

作品名:流星群 作家名:甜茶