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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 舞い降りた天使 2.

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「おばあちゃんのお父さんとかお母さんとか、どんな人だったの?」

「お父さんは軍人で海軍の飛行機乗りだった。終戦前の特攻で亡くなったと聞いているんだよ。まだ幼かったから顔はよく覚えてなかったけど、男らしい人だって母から聞いたわ。
お母さんはね、私が小学校に入るころ事故で無くなったの。でもこの頃ね、お前がその母親によく似てきたと感じている。回りまわって親子以上に血縁は似ると言うから、そうなのかもしれないけど」

「へえ~私がおばあちゃんのお母さんに似ているんだ。何だかうれしいなあ~。お母さんが亡くなっておばあちゃんはどうなったの?」

「かわいそうだと言って近所の大久保さんという夫婦に養子に迎えられた。息子さんを戦争で亡くしていたから、是非にということだったらしい。お世話になったよ。
日本が平和になってこれからは都会が人手不足になるからと、鹿児島から家族みんなで東京に出た。上野に住んで、結婚して、お前のお母さんを産んだ。
大久保さんの意向で私の時と同じくお母さんには養子を迎えようと亡くなった正春さんが来てくれた。
お世話になった大久保家は先祖があの大久保利通翁の親せきで、その系譜を聞かされて、おまえのお父さんは政治家を志して当選した」

「そうだったの。由緒ある家におばあちゃんは引き取られたということになるんだね。
亡くなったお父さんの遺志を継いで誰か政治家にならないといけないね。私は無理だけど」