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【創作】「咎人の系譜」

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「咎人の系譜」



おや、退屈そうだね。じゃあ、昔話をしてあげよう。

昔々、あるところに、貧しい一家がいました。
今日食べるものにも困る有様で、とうとう末の息子が、口減らしの為に商家に売られることとなりました。幼い彼は、両親の「必ず迎えにいくから」という言葉を胸に、泣く泣く親元を離れたのです。

売られた先で、彼は酷くいじめられました。ボロを着せられ、風呂にも入れず、食べるものは残飯をほんの僅か。馬小屋に寝かされ、昼も夜もこき使われます。
それでも彼は、一生懸命働きました。いつか家族に会える、それが心の支えとなったのです。

彼が大人になっても、両親は迎えにきませんでした。それでも、彼は一生懸命働いていれば、必ず家族の元に帰れると信じていました。

ある日、店のお金が足りなくなる騒ぎが起こります。
怒った主人が、店の者達を責めました。すると、店の者達は、口々に彼が盗んだのだと言い出しました。彼は自分ではないと必死に訴えますが、誰もそれを信じようとしません。それどころか、彼を酷く痛めつけ、盗人はいらないと店から放り出してしまったのです。

ぼろぼろの体を引きずりながら、彼はなんとか故郷にたどり着きます。せめて両親の顔を見てから死にたいと、必死で向かった先には、なんと立派になった実家がありました。
家は綺麗に立て替えられ、縁側では綺麗な召し物を来た子供らが笑っています。奥から出てきた老夫婦は、確かに彼の両親でしたが、思い出の中よりずっと太って、幸せそうでした。

彼は気づいてしまったのです。この家に、自分の居場所はないと。
自分は、家族に捨てられてしまったのだと。

心の支えを失った彼は、そのまま命を落としました。
けれど、一夜明けたら、彼は鬼となっていたのです。

鬼は一家に襲いかかり、両親と兄弟姉妹を喰い殺します。唯一、末の赤子だけが残されました。

鬼が情けをかけたのでしょうか?
いえいえ、末の子が大人になり、所帯を持ち、子が産まれる頃、また鬼がやってきて、末の赤子以外を喰い殺します。何度も、何度も。どこに逃げようと、鬼の呪いから逃れることは出来ないのでした。

めでたしめでたし


作品名:【創作】「咎人の系譜」 作家名:シャオ