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でんでろ3
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novelistID. 23343
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シナリオ「メチャモテナンパ塾」

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舞台上手から1人の男〈茶男〉が歩いてくる。
 
茶男「あー、ちくしょう。何で、俺には、彼女ができねんだろ。イライラすっなぁ」
 
ふと見ると大きな看板がある。
「ゾウリムシでもモテます。○○メチャモテナンパ塾」
と書いてある。
 
茶男「あぁ? 『ゾウリムシでもモテます。○○メチャモテナンパ塾』だぁ? ホントかよ?」
 
そう、言い終わるか、終わらぬかのタイミングで、
 
塾長「本当です!」
 
と、大声で言いながら、白衣を着た○○(塾長)が下手から登場。
 
塾長「我が塾で学べば、例え乳酸菌でも、モテモテになります」
茶男「いや、乳酸菌は結構役に立ってるよ」
塾長「そこのモテそうにないあなた」
茶男「何だと、てめえ!」
塾長「あなたは、運がいい。今日は、我が塾のオープンキャンパスデーです。我が塾の授業を見ていきなさい」
茶男「何だよ、偉そうに。イライラすっなぁ」
塾長「レッスン・ワン!」
 
塾長たちは暗転。
 
 
スポットライトの中に紫色のパラソルをさしてたたずむ一人の少女。
 
そこに、1人の少年が通りかかる。
 
少年は少女を見てハッとする。思わず声をかける。
 
少年「あなたは、紫陽花ですか?」
少女「えっ?」
少年「あっ、失礼。……ただ、あなたが、あまりに美しかったもので……」
少女「まぁ」
 
少女は、恥ずかしそうにうつむき、そっと頬に手を添える。
 
少年は、くるりと向きをかえ、すっと腕を差し出す。
 
少年「さぁ、参りましょう」
 
少女は、そっと、手を添える。
 
少女「はい」
 
2人は連れだって、スポットライトの光の輪から出ていく。
 
 
再び、塾長と茶男が照らし出される。
 
塾長「(ドヤ顔で)どうだね?」
茶男「殴っていいか?」
塾長「えぇっ?」
茶男「と言うか、なんで、途中で、自分が暴れ出さなかったのかが不思議だ」
塾長「何か、変なところでもあったかね?」
茶男「わけわかんねぇよ。イライラすっなぁ」
塾長「仕方がない。君のために、少しレベルを落としてあげよう。レッスン・トゥー!」
 
塾長たち暗転。
 
 
一人たたずむ少女がスポットライトに浮かぶ。
 
そこに、ラジカセを担いだ少年がやってくる。「ブンズガ、ブンズガ」という低音のリズムに乗って、身体をゆすっている。
 
少年は床にラジカセを置く。
その瞬間、止まる低音のリズム。
次に流れるのはオクラホマミキサー。
 
少年と少女は、イントロでしっかりリズムを取った後、やおら踊りだし、2人仲良くスポットライトの光の輪から出ていく。
 
 
塾長「(ドヤ顔で)どうだね?」
茶男「蹴っていいか?」
塾長「えぇっ? これでもだめか?」
茶男「却って悪くなってるよ! っつうか、あのラジカセは、誰が回収するんだよ!」
塾長「それは我々スタッフが、責任をもって回収いたします」
茶男「サービスいいなー」
塾長「仕方がない。さらにレベルを落とそう」
茶男「いや、もういいって」
塾長「レッスン・スリー!」
 
塾長たち暗転。
 
 
スポットライトの中に、犬が浮かび上がる。
 
そこに、桃太郎が通りかかる。
 
 犬 「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰に付けた黍団子、1つ私に下さいな」
桃太郎「あげましょう。あげましょう。これから、鬼の成敗に……」
 
 
そのとき、
「ちょっとまてーーーっ!」
という大声が響き渡って、桃太郎たち暗転。塾長たちにライト。
 
茶男「いくら何でも、これは止めるぞ」
 
すると、塾長が深く反省している。
 
塾長「ありがとう。君が止めてくれて、僕は、やっと気付いた」
茶男「今頃? って気はするけど、気付いたのか?」
塾長「ああ、これじゃあ、『援助交際』だ」
茶男「そうじゃねぇ」
塾長「お礼に、上級者向け、彼女とのデート編を見せてやろう」
茶男「やだよ。もう帰るよ」
塾長「レッスン・フォー!」
 
塾長たち暗転。
 
スポットライトの中にカップルが浮かぶ。
2人とも、紙パックのジュースを飲んでいる。
 
少女「見てー、きれーな景色」
少年「いや、君の方がきれいだよ」
少女「えへ。あ、ジュース飲み終わったから、捨てなきゃ。あ、見て、このゴミ箱。『このゴミ箱に捨てられた紙パックはリサイクルされます』だって。地球にやさしいわね」
少年「いや、君の方がやさしいよ」
少女「うふ。あ、ほら、紙パックは、こうして、潰して、ほら、こんなにペッタンコになった」
少年「いや、君の方がペッタンコだよ」
 
少女は無言で少年を平手打ちする。
 
少女たち暗転。
 
 
塾長たちにライト。
 
茶男「殴られてんじゃねぇか」
塾長「正確に言うと、叩かれている」
茶男「細けぇこと言ってんじゃねえぞ。イライラすっなぁ。とにかく、俺ぁ、もう、帰る」
塾長「じゃあ、授業料払って下さい」
茶男「何だと? いくらだよ?」
塾長「20万円です」
茶男「いい加減にしろ」