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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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夜桜を見ながら…。

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珍しく夜桜見物に行った。
十二時前だというのに人がチラホラといる。
ライトアップもしていたので真っ暗ではなかった。
長く伸びている枝を根っこよりも下に曲げ、水面ギリギリまで枝先が近付いている。
その姿が水面に映っていて、
“なんと美しいことだろう…。”
と私は感動していた。
その反面、
“重たいだろうなぁ~。”
とも思った。
そしたらその桜から、
“ええ、まあ、結構…重たいです。かなりギリギリ…かな…。”
と聞こえた。
“あらまぁ~、そりゃ大変で…。”
と私は返した。
“でも大丈夫ですよ。なんとか持ち堪えてます。”
との返事だった。
私はその桜の木のマネをしてみた。
腕に重さを感じて来た。
これはなんと重いことだろう…と思う私は、もっと大事に桜を見なければと思った。
桜を見に来る人たちのために、桜の持ち主さんは一生懸命考えてその形にしたのだろうと思うと、桜もその気持ちを分かってくれるのだと思う。
健気な中にも、持ちつ持たれつがあるのだなぁと感じた。
そんな繋がりっていいなぁと心を打たれながら桜見物をしていた。

水面に映る桜を見ていて、二次元に映っているのに奥行きがあるように見える。
鏡に映るのと同じことだと分かってはいるが、真っ黒の中に映っていると終わりのない底なしに見えて恐怖にも感じる。
そこに美しいピンクが映し出されている。
その光景が美しすぎて、
“非現実的じゃ~。非現実は美しい~。なんて非現実は美しいのか…。”
と見とれていた。
そして非現実なら、現実の桜はどうだと見てみる。
普通にそこに“ある”、“いつも通り。よろしい。”と肯く。
そしてまた水面に映る非現実を見る。
“非現実じゃ~。美しい~。”
恐怖の中にある桜の美しさにまた感動する。
そんなことを繰り返していた。

そして敷地内を見て回った後、また最初の場所に戻って来た。
すると上(神様)が出て来て私にこう問いかけた。
『非現実は美しいですか…?現実の桜も美しいですが、非現実の方が美しいですか?』
私はそれを聞いて、上が何を言いたいのかと考えた。
一応、
『はい、非現実の方が美しいです。』
と答えた。
上の気持ちを探りながら考える。
『非現実の方が美しいと思うのならそれはそれでいいのですよ。ただ、水面に映っている非現実は全てを映していますか?どうですか?』
と上は更に問いてきた。
どういうことだろうかと水面に映る桜を見ながら私は考える。
そんな私に上は、
『枝は何層にもなっていますが、そのどの部分が水面には映っていますか?』
と聞く。
私は現実の桜と非現実の桜を交互に見て、一番手前の桜が映っているなぁと思った。
すると上が、
『では、鏡に自分が映っている時に、頭の後ろに手を持って行った時の手はどのように鏡に映っていると思いますか?』
と聞く。
私は前に鏡があると思って、手を頭の後ろに回してみた。
“あっ!!そう言われたら、隠れた部分て映らないかも…。ということは、鏡の世界では私の手は無いと…。ちょーこえ~っ!!”
と私は何かに気付いた。
上がニコッと笑って、
『ねっ!!そういう風に物事を考えると面白いでしょ?!桜も同じように、水面に映っていない部分は無いと考えると不思議ですね。でも現実の桜を見ると非現実の中にはない桜がありますね。もちろん角度を変えていけば、映っていなかった桜を見ることは出来ますがね…。物事の考え方っていろんなところから発見出来るのですね。』
と言った。
そう言われると水面の桜に奥行きを感じるけれども、触ると裏側がないし裏側も映っていない。
でも現実側は触ると裏側はあるし見ることも出来る。
普通の事だし、当たり前の事なんだけど、それを敢えて考えるとまた楽しいを知ることが出来た。
こんな風に上は他愛もない事を私につついてはいろんなことに気付かせてくれる。
どうしてこんな事をするのだろうかと私が思うと、
『だって、科学的に何でも知りたいのでしょ?!あいちゃん(仮名;私)は初めにそう言ってたじゃないですか!!なので、私も出来る限り科学的な事で答えたり、ちゃんと説明してあいちゃんが納得出来るようにいろいろ考えているんですよ。』
と上に言われる。
最初に言った言葉でさえも上は忘れないようだ。
なんという記憶力!!
そして私はまた桜を見る見方が一つ増えたのだった。