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みゅーずりん仮名
みゅーずりん仮名
novelistID. 53432
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『 ハナのアナ 』

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この間、鼻の穴はトンネルのように繋がっている
のではないか、と考えるような出来事がありました。

その日、確かに私の穴はあなたと見えないトンネルで
繋がっていたのです。

会話が弾んだその時に、あなたの中に灰色の何かを見、
私が目を凝らした途端に消えたのでした。

それが私の中にあることを、鏡の中で知った時の
胸の高まりを、どう伝えたら良いでしょうか。

私は鏡に目を凝らしましたが、灰色のそれは消える
でもなく、いつまでもそこにあるようでした。

それで私は水に流すことにし、トンネルを通じて
やってきたそれは排水口の中へと消えていったのです。
しかし、誰かと見えない何かで繋がる世界に生きている
ことを知った私が生きるところなど、あるのでしょうか。

ハナのアナだけでなく、ドコのダレでも。

何しろ、目を凝らした時から、すべては始まり、
それを悟った時にすべては終わるのですから。