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「そうでしたか、作りすぎてしまいました。ごめんなさい」

「謝る必要ないよ。僕が初めに言うべきだったよ。すまない」

「いいえ、確認しなかった私の落ち度です」

「君は物事を何でも自分が悪いと考えるんだね。どうして？」

「ええ？そうですか。私がいけなかったからそう言ったまでです」

「間違っていないことは主張すべきだよ。君はお手伝いさんだけど一人の人間だし、変な言い方だけど奴隷じゃない。僕たちにとって、此処のみんなにとっても大切な人なんだよ。そのことを言いたかったんだよ」

「ありがとうございます。そのお言葉だけで十分です。お食事初めてください」

「うん、そうだな。じゃあ、頂きます」

隆一郎はたくさん食べた。夕美に気遣ってか、時々話しかけてペースを合わせているかのように見受けられた。
洗い物を終えて、居間のソファーに座った夕美に隆一郎は改めて話し出した。

「おれさ、昨日警察に連れていかれたんだよ。初めてパトカーに乗ったよ」

「私見ていました。その時にスーパーの前にいましたから。ごめんなさい。誰にも話していません」

「そうか、なら話は早いな。店の店員を殴ったんだよ。気分悪かったから」

「そんなことしたんですか。信じられません」

「ああ、おれも自分が信じられないよ。万引きに間違えられそうになって店員に問い詰められたから、言いがかりつけるんじゃないよ！って怒鳴ってやった。そうしたら、向こうがお前はポケットに入れようとしていたとそこに置いてあったヘヤーワックスを見せて言うんだよ。確かに見ていたけどポケットに入れようなんてしていなかったんだ。勘違いだと何度も言ったけど裏の部屋に連れていかれて親を呼び出すというんだよ。名前と住所聞かれたから、黙ってた。そうしたら、胸ぐらつかまれたから・・・思わず殴っちゃった」