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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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リップに伝えていたこと。

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今は神やらキリストやら…、まだ話には出て来ていませんがモーセ(ついでに)なんかと話しているけど、こんなことになる十年くらい前から私はリップに言っていた事がある。
リップをかわいくないと思っていた時から言っていた。

もし天国があるのなら、いつか死ぬであろうリップはお利口さんなので、私なんかよりも確実に行けると思っていた。
リップが行けるのなら、今までの飼ってきた動物たちもいると思う。
ドンちゃんやマイちゃん、モモ(お母さんの家で飼っていた犬)、十匹ほどのウサギもいた。
リップが来て、早い内からそう思っていた。
そんなことを考えていると、どう見積もっても私よりも先に死ぬのはリップだと思った。
事故などいきなり死ぬことがない限りは、大体そうなると思う。
なのでリップに、
『どんなに考えてもやっぱりリップが先に死んでしまうので、死んだらあいちゃん(仮名;私)はいないの。』
と言うと、リップがオロオロしだした。
『でも、大丈夫。死んでお目目が覚めたらあいちゃんはいないけど、そこにドンちゃん…分かる?!』
と聞くと、しっぽを振って二足で立って目を見開き、
『知ってる、知ってる。』
と言う。
『そう、ドンちゃんね。ドンちゃんはワンワンのドンちゃん。ドンちゃんとマイちゃん。マイちゃんはニャンニャ~ンのマイちゃん。それとモモ~もいるから、その三人がリップを迎えに来てくれるの。ドンちゃんが一番大きいけど、マイちゃんがボスだから、マイちゃんの言うことを聞くの。分かった?!』
と聞くと、また二足で立って、“はい。”と短いながらも片手を少し上げるのだった。
こんな事をたまに思い出すと言っていた。

私の考えでは、死んだら全て無になって終わりだと思っている。
でも天国やら地獄を見たことはないので、ちゃんとした答えは分からない。
もしかして天国があったら…と考えた時に、その後のことまでリップに教えていた方がいいと思ったのでそう教えていた。
リップが一人になっても困らないためにだ。

そして、不意をついてリップに、
『死んでから、マイちゃんがいたら…どうするの?』
と聞く。
リップは咄嗟にも関わらず、二足で立って片手を上げる。
『そう、お利口さ~んよ。そう、マイちゃんがいたら、マイちゃんの言うことを聞くの。マイちゃんの言う通りにしてたら間違いないからね。』
と言うと、二足で立っているのに、尚もつま先をグッと押しもう少し上に伸びて、“分かった”をアピールしてくる。
そうやって会話をしてきた。

そしてその時がやっぱり訪れた。
犬が死んでしまった。
それは彼氏が会社に通勤中、病院から電話があって、そして私にかけてきて知った。
いきなり調子が悪くなって病院に連れて行くと、即入院となった。
その日の内に手術となって、手術は成功して面会に行った。
麻酔がもう切れて目を覚ましてもいいのに起きない。
私はその姿を見た時に、体力が持たないとどうしてか分かった。
先生は起こそうとするけど、私はもうしなくていいと思った。
別の部屋で先生と彼氏が今後犬の生活についての仕方を話していた。
でも私は、目を開けずイビキを立てて眠っているリップに、
『もう、そのまま眠ってて~。ねんね~よ~。起きなくていいよ~。』
と泣きながら言い続けた。
そして次の日の電話で、夜中に息を引き取ったということだった。

彼氏の電話を切って泣いている私に何かが見えた。
後ろにドンちゃん・マイちゃん・モモが雲のようなものの上に横に並んで座っていた。
私はリップにマイちゃんがボスだと伝えていたけど、マイちゃんじゃなくてモモだった。
泣いているのにどうしよう…間違えた…と焦りが芽生えた。
そして、三匹の見つめている遠くにリップがポツンといた。
マジでっ?!と私は思った。
三匹の遠く後ろの方には薄っすらと草原が見えた。
そこまではリップに教えていない話なので、どう理解していいのか分からなかった。
兎に角、まさかだけど、今見えていることが本当ならこれからのリップは安心だと私は胸を撫で下ろした。

今となっては、上(神様)とつながったということもあって、私はその時のことを上と話してみた。
[上];(以下;[上])
『あいちゃんが(仮名)そのようにリップちゃんに言っていたので、叶えないわけにもいかないでしょ。モモがボスでしたが…。』
と言う。
私は本当なのか疑わしくて、
『幻を見せて騙してるんじゃないの?!』
と聞いた。
[上];『聖書にはなんと書いてますか?“動物を服従させて良い。”とありませんか。ということは、それが成就したということになりますね。天に来るとは書かれていませんが、ペットについても書かれてはいませんね。でも上に来ているのでリップちゃんはここにいます。リップちゃんはお利口さんに過ごしていますよ。』
と言う。
確かに、聖書にはそう書かれている。
しかし疑う私は、
『でも、宗教のおばちゃんに、“ペットの復活はない。”って言われた。それはどういうこと?!』
と聞くと、
[上];『おばちゃんたちがそう言いたいのならそう言わせておけばいいだけのこと。その方たちのペットは復活しなくて良いということなのでしょうから。家族の一員になったにも関わらず、そのような言葉であしらう者は、その者がそうなれば良いと私は思います。その方たちのペットに向けた“愛”は何処へ行けば良いのでしょうかと私は思います。行き場をなくされた“愛”は捨てて良いのでしょうか。私はそういう人たちを見ていて悲しくもなるし腹も立ちます。まっ、私からしたらおばちゃんたちの方が復活に値しないと思いますがね…。おばちゃんたちのペットの行き場がないのでしたら、私が全て面倒見ても構いませんしね。』
と言った。
それを聞いて私は、
『じゃあ、リップは復活したの?!』
と聞いたら、
[上];『あらっ、分かった?!…そういうことになりますね。リップちゃんは復活に値するということですね。よくここまで育てたと思いますよ。人の話をしっかり聞くし、話をちゃんと理解しますね。よくここまで犬の心を開いたと思いますよ。そばで見ていて、怒り過ぎる時もありましたが、私は良いと思っていましたよ。時々、そこまでしなくても…ということもありましたが、結局は飼い主さんと生き物との“絆”だと思いますよ。私の言うことよりやっぱりあいちゃんの言うことの方を聞くと思いますよ。それは二人の間にそこまでの“絆”が出来たからだと思いますよ。私は初めに、人が生まれるよりももっと昔に約束事を決めていたので、それが叶ったということですね。私の約束事はまだ終わってはいないということですね。』
と言った。
これが事実なら、リップのお世話をお願いしておこう。
ついでにドンちゃん・マイちゃん・モモも…。
そして上は続けて、