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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

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汚名返上



「俺は魔人失格なのではなかろうか」
 街の雑踏にまぎれ、彼はつぶやいた。
 俺は甘いのだ。困っている人間を見かけると、いじわるをしてやろうと思って近づくのだが、最後には相手が笑顔になっている。
 面の皮が厚い連中や鼻を高くさせた連中を人生のどん底に突き落とすことは容易なのだが、絶望のふちに立っている人間の背中を押すことができない。もし押すことができたとしても、ちっとも面白くないのである。
 数日前のことだ。人通りの少ない道で子どもの泣き声がしたと思ったら、面倒なことに巻き込まれた。いたずらのチャンスだと、声のしたほうへ行ってみると、そこには怪しげな男が立っていた。
「誰だ、お前は」
 男は刃物を持っており、子どもを車のほうに引きずっていこうとしていた。
 そのときに気がつけばよかったのだ。これは誘拐なのだと。しかし魔人は、「熱い」と思う間も与えずに男を灰にしてしまった。獲物を奪われたような気がして、瞬間的に怒りが湧いたのだ。
「おじさん、助けてくれてありがとう」
 子どもは行儀よく頭を下げて去っていった。人間の子どもを、悪人から救ってしまった。魔人にとって娯楽とは、不幸を集めることなのだ。誰かを不幸にした結果、他の誰かが幸福になってしまったら、意味がないのである。
「困っている人間はいないか。今日こそは誰かの人生をめちゃくちゃにしてやりたい。この世に生を受けたことを後悔させてやりたい」
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ