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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

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親の顔



「まったく、けしからん。親の顔が見たいわッ」
 アブラゼミ博士はご立腹だった。
 ついさっきのことである。研究に必要な道具を買いに行った帰り道、博士はサッカーボールをぶつけられた。犯人は、子供だった。壁にボールを蹴って遊んでいるうちに、博士のほうへボールを蹴飛ばしてしまったのだ。
 アブラゼミ博士は若者が大嫌いだった。しかし自分は大人である。ちゃんと謝れば許してやろう。そう思い、ボールを手に持って、子供が取りにくるのを待った。だがその子供は謝るどころか、ひったくるようにしてボールを取り戻し、何も言わず去っていったのだ。
「あんな礼儀知らずの子供だ。親もきっと非常識に違いない……」
 博士は薄くなった髪をかきむしった。
「わしにも若いころはあった。たしかに生意気だったが、年長者への敬意を忘れたことは一度もなかった。しかしなんだ、最近の若いやつらは。どいつもこいつも目上の者をなめやがって……」
 博士の頭の中には、以前から温めていたアイデアがあった。実現させても無駄だろうと思い、今まで手をつけてこなかったのだ。ついにあれを作る日がきたのかもしれない。
 燃えるような怒りをエネルギーに、博士はマシンを完成させた。
 両親再現マシン。気に入らないやつを見つけたらこれを使って、そいつの親の顔を見てやろうというマシンである。
 マシンは三十センチ四方の大きさで、モニター画面がとりつけられている。そこに気に入らないやつの遺伝子学的両親が映し出されるのだ。
 アブラゼミ博士は、自分を実験台にマシンを使ってみた。使い方は簡単、針の仕込まれたシールを肌に貼るだけ。針は、蚊の針と同じくらい細くて小さいので、痛みはない。その針を通して遺伝子情報を集め、マシン本体に転送し、分析する。
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ