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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

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貧血



 二ヶ月ほど前から、わたしは立ちくらみに悩まされている。
 症状だけをみると貧血のように思えるが、わたしはどちらかというと高血圧だ。自分で言うのはおかしいかもしれないが、血気さかんな人間である。これまでに大きな病気もしたことがなかった。
「念のため」と、自宅の近所にある病院で診てもらった。その結果、やはりわたしは貧血とは程遠い人間であることが分かった。
 しかし、立ちくらみは治まらない。昼だろうと夜だろうと、場面や状況を問わず、立ちくらみはやってくる。心配なので他の医者にも診てもらった。すると、三番目の病院が紹介状を書いてくれた。
「あなたの症状は、道徳科医の専門かと思います」
「はあ。その道徳科医というのは、精神科医と関係があるのですか」
「精神科医とは別ものですよ」
 いまいち気が進まないが仕方ない。わたしは後日、会社へ行く前に道徳科医をたずねた。医師は五十過ぎくらいの男で、わたしの話を聞くと「分かりました」と言った。
「あなたは心理性の貧血症です。最近増えているんですよ。特に若い人に多くてね」
「じゃあ、病気ではないのですか」
「だからといって甘くみてはいけませんよ。過去に、心理性貧血の若者たちが集団自殺をしたことがありますからね」
「そんなまさか」
 思わずわたしが笑うと、医師は顔をまっ赤にした。
「先日、私の親せきの子が事故死しました。運転中に、心理性貧血でくらくらしてね。即死でした」
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ