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みゅーずりん仮名
みゅーずりん仮名
novelistID. 53432
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『 マウス音が聞こえた気がしたので 』

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「それじゃ、行って来ます」という状況の中で、私は足を止めた。
何か聞こえるのである。
カチ・・・カチ・・カチ・カチ・カチカチカチカチカチカチ・・・

事務所にいるのは私、一人。
その音は真ん中の机から聞こえ、永久に聞こえるかと思われた。
すると今度は、ガーガー・・ピー・・と印刷プリンタが動き出し、
何枚かの紙が吐き出された。

恐らく、FAX機が作動したのだろうと思うことにしながら、
大急ぎで扉へ向かう。
カチャ・・・カチャ・・カチャ・カチャ・・・

事務所に佇むのは私、一人。
「どなたですか?」
答えは無く、扉の音だけ続いている。
私は急いで引き返し、飾り太鼓を手に取った。
足を踏み出した途端、ガチャっと音がして扉が開いた。

「あれ、どこか出掛けるの?」
軽やかな口調で部長が言い、私は急いで首を振った。
「あ、はい。今から」
咄嗟の答えを返し、鞄の柄を握り締めて事務所を出る。

外の空気は澄んでいて、太陽がギラギラと照りつける。
雪解けの雪で滑ることのない様に、気をつけながら、私は歩いた。
途中、一度だけ振り返ったが、もうあまり後ろは見なかった。