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魔王様には蒼いリボンをつけて 設定集

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舞台設定(魔王・世界・聖女について)



■魔王について

 この作品での「魔王」は勇者の相手をする役職を指します。魔界の王、魔族(悪魔)の王という意味合いはありません。
 ただし、それはあくまで魔族側の考えで、人間(主に勇者)からは後者だと思われています。
 なので勇者は「魔族の王である」魔王をラスボスだと信じ、魔王を退治しに来る者は後を絶ちません。

 魔族は人間を餌として狩ります。
 人間が口にするような一般的な食料も食べますが、人間の血肉は最上の美味とされています。
 しかしそれぞれ好き勝手に人間を狩るといろいろと問題も起きるので、魔族内では各家の領地内でのみ狩りをすることが許されています。
 ※ただし、低級魔族(例に上げるとすれば野生の熊などに準ずるもの)は家や領地などに関係なく人間を襲います。
 最近は人間のほうでも武器開発が進んだため、人間狩りは以前に比べて減っています。それが人間の血肉を更に貴重品にしています。

 魔族が人間を狩る=魔族は人間の敵。魔王は魔族の王。その魔王を退治してしまえば魔族の横行も無くなる。
 その考えから、勇者は魔王討伐を目指します。
 実際には魔王を退治したところで人間狩りはなくならないのですが。

 魔王はノイシュタイン城を居城にします。
 ノイシュタイン城は人間界にあります。
 これは「勇者専用窓口」である魔王が勇者に見つかりやすくするためのものです。魔界にいたのでは人間はなかなか辿り着くことはできません。
 言いかえれば、それ以外の「実際に人間を狩っている魔族」は人間側からは見つけにくいです。
 代がわりしながらも何百年もの間ずっと魔王がいますので、ノイシュタイン城は「悪魔の城」としてかなり有名になっています。

 魔王はノイシュタイン城城下町及び近隣町村の領主という別の顔を持っています。
 主な収入源は税収、それ以外に魔界のほうから活動資金が入ります。これだけで城の修繕費から食費までまかなわないといけません。
 また、その領地は魔王(及びその魔王を輩出した家)の土地になりますので、その任期の間は他の家が狩りをすることはできません。
 
 歴代の魔王は魔族の自負もあってか、人間と必要以上に慣れ合うことはありませんでした。
 いつか狩って食べてしまう対象に情が移らないようにしたのかもしれません。
 それが領民側からすれば「自分達に関心の無いただそこにいるだけの領主」という印象しか与えませんでした。

 青藍は母親が人間であり年齢自体も若いこともあって、魔族の中では珍しく人間に好意的です。
 領主と言うには経験が浅そうな坊ちゃんだけれども今までの領主よりは話を聞いてくれる、と言うことで町長をはじめ商店街の奥様方にも可愛がられています。
 しかし領民はこの坊ちゃんが魔王だとは知りません。


■世界について

 物語の舞台となるノイシュタインは海沿いの田舎町です。坂の町でもあります。
 山の中腹にノイシュタイン城があり、そこから坂道を下っていくと道の両側に店が並ぶ通りに出ます。
 そのまま下ると左側に駅舎、商店街から脇道に逸れると海(堤防)へ続きます。
 商店は八百屋、小間物屋、魚屋など生活必需品を売る店が主で宿屋は1軒。海の町なので魚料理を出す店も多いです。
 駅舎ははげかけた赤い屋根の平屋建てで夜には無人駅になります。
 堤防の下は岩場。これは昔このあたりに火山があった名残だと言われています。潮が引けば人が通れるような穴も見つかるような岩で、そのため取り残された小魚や蟹を取る子供の姿も見ることができます。
 砂浜は無いので海水浴には向きません。その場合は隣町まで行くことになります。
 
 この世界の主な交通機関は馬車と汽車です。電車や自動車はありません。特急や急行などもありません。
 電気が無いので灯りは蝋燭、または油を利用したランプが主体です。夕方になると街灯に1本1本灯りを付けて行く街灯男の姿が見られます(作中表現なし)。

 魔界も人間界に準じていますので、灯りは蝋燭です。馬車はありますが汽車は通っていません。
 そのかわり魔界にはゲートと呼ばれる魔力で出来た扉があります。簡単に言えばドラえもんのどこでもドアと同じです。
 このゲートは誰でも開くことができるわけではありません。主につなぐことができるのは城から城、それも城主がつなぐことを許可している場合に限ります。
 城から城なら人間界・魔界の差なくつなぐことができますが、ノイシュタイン城は勇者が頻繁に訪れる特異性もあって、つなぐことを許可していません。
 ゲートは魔力如何では無理矢理こじ開けることもできなくはないですが、扉付近の次元が歪んで大変なことになります。

 人間界と魔界は次元が違います。
 ですがあちこちに次元のほころびがあり、ついうっかり魔界に入ってしまうこともあります。
 ノイシュタイン城の中でも書庫の奥や廊下の先など、気が緩んでいると迷い込んでしまう場所があります。
 それらのほころび以外でゲートを使わずに魔界に行くには「隔ての森」を通らなければいけません。
 「隔ての森」は一見普通の森ですが、あるアイテムを持っていることで魔界への道が通じます。なので人間が入ってもただの森です。 


■聖女について

 この世界の人々(人間)の間で信仰の対象とされているのが聖女です。
 正式には「ロンダヴェルグの聖女」といいます。
 町や村にある教会には彼女の像があり、人々はその像に祈ります。
 この「聖女」は信仰の対象としての偶像というわけではありません。
 本人は聖地であるロンダヴェルグの教会にいると言われていますが、100数年前、突如としてその聖女は姿を消してしまいました。
 消えたと言うことが人々に知られると世界が混乱するので今でも実在していることになっています。

 聖女も魔王と同じく、何百年もの昔から代がわりして続いてきました。
 前の聖女がいなくなると神託が下り、天使は次の聖女になる娘を迎えに行きます。しかしその神託の精度はあまりよくないので(○○村付近など)すぐに見つけることはできません。

 天使以外に魔族を滅する力を持つのが聖女1人だけなので、今の聖女不在の世界では魔族の横行を止める者がいません。
 人間たちも武器を作っていますが、天使や聖女の力ほど確実な抑止力はありません(それでもただ狩られるだけの頃に比べれば段違いですが)。