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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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風、彼方より舞い戻る 神末家綺談8

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絢世が息を切らせてかけてくるところだった。紫暮は川の祠から離れて彼女のそばに寄る。

「伊吹さんは、瑞さんのところに」
「・・・そう。こちらはお役目様や小夏ちゃんとは、いつの間にかはぐれてしまった。さきほどまで、そばにいたはずなのに」
「・・・少し、空気がおかしいですよね。知らない場所にきたみたいな・・・なのにすごく、懐かしいような」

絢世もまた、変化を感じ取っているかのようだ。薄ぼんやりとした月明かりが、鬱蒼とした雑木林の中に降ってくる。雲は黒い。ぴん、と張り詰めたような空気が体中を締め付けてくるかのようだ。

「・・・みずはめの意思が作用しているのだと思う。瑞を呼んで、境界をぼかし、交じり合おうとしているのだろう」
「お役目様や、小夏さんは・・・大丈夫でしょうか」
「おそらくあの人たちもわかっている。心配しなくても平気だろう」

雲が隠れていく。石に腰掛け、静かに天を見た。月がまた、ゆっくりと雲に飲まれていく。

「時が来たんですよね」

絢世の声もまた、穏やかですべてを理解し、受け入れようとしている口調だった。

「・・・瑞さんと、お別れする時が」





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