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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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風、彼方より舞い戻る 神末家綺談8

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運命と呪い



「絢世、早く!」
「ま、待って紫暮さん!ひゃあ!」

手を引かれ、発車寸前の新幹線に飛び移る。背後で扉が閉まる音。ぎりぎりセーフだ。

「間に合った・・・」
「す、すみません、わたしがどんくさいから・・・」
「それは違う。急な話だったし仕方ない」

新幹線は、紅葉の見ごろが過ぎた京都を出る。最終の新幹線だ。夕刻を過ぎて外は暗い。

「・・・突然でしたね」
「うん。だけど・・・俺も気になっていたから」

殆ど荷造りする時間もなく、二人が新幹線に飛び乗ったのは、神末家へ向かうためだった。
きっかけは、須丸の当主・清香の言葉。

昨夜夢を見たのだと清香は言った。瑞の夢だったと。同じようにして紫暮も夢を見て、清香に報告した。絢世のところに連絡が来て、まさに自分も瑞の夢を見ていたので驚いた。

不思議な夢だった。雪が降っていて、瑞が真っ白い景色の中に佇んでいた。過去なのか、それともこれから起こることなのか。それともただの夢なのか。わかることは、血を同じくし、かつ瑞と深く付き合ってきた者が共通して見たということだけ。それだけでも、清香が異変を感じるには十分だったようだ。すぐに神末家へ向かうようにと指示された二人は、仕事でどうしても行けない清香に代わり、あわてて新幹線に飛び乗ったのだった。

「不思議な夢でしたね」

こちらを見つめながら、真っ白い景色に佇む瑞。白い景色に消えそうになって・・・。

「あのまま、雪景色に消えて、いなくなっちゃうんじゃないかって・・・そんな夢だった・・・」

寂しそうに笑う瑞が、佇んでいるだけの夢。それだけでもう、瑞と関わった自分には何か起きているのではないかと不安になるのだった。

「伊吹くんが地下書庫で瑞の過去に触れようとしていた時から、少しずつ変調はあったな」

紫暮が静かに言う。