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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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7―6 【鰹】

 【鰹】、「魚」に「堅」で「かつお」。
 万葉の時代から食用にされてきたが、身が柔らかく傷み易い。そのため堅い干物にして食べ、「堅魚」(かたうお)と呼ばれていた。

 特に初鰹は、江戸時代珍重された。
 傷みが早く、危ない。そのため安全に食べるためには高価となる。 
 「まな板に 小判一枚 初鰹」と言われるほどだった。

 庶民にとって、初鰹は途方もなく高級魚。
 それなのに、「目には青葉 山時鳥(ほととぎす) 初松魚(かつお)」と、旬を味わうのはこれしかないと煽(あお)られる。
 それでも初鰹を食べない輩に、「女房子供を質に出してでも食え」と、無理強いまでもが。
 もうここまでくれば……人権侵害の域。

 しかし、救世主が現れる。【鰹】を丸ごと火に炙ったもの、それは――「タタキ」
 これで少々古くても、ポンポンは痛くならない。そして、当然お値段はお手頃なものとなったのだ。
 庶民にとって、タタキ万々歳だ。

 ならばと言うことで、少し余談となるが、ユッケも――タタキにして食べたらいかがなものだろうか?