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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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6―5 【筍】

 【筍】、「竹」の「旬」(しゅん)で……「たけのこ」。
 「旬」は、龍が尾を巻いた「勹」と「日」の組み合わせの字体。一番味が乗っている十日間を意味する。

 春の旬の食べ物は、竹の旬で【筍】。
 このたけのこ、日本にはおおまかに三種類ある。
 関東方面に多い孟宗竹(モウソウダケ)。そして、京都の真竹(マダケ)。五月頃に九州から出回ってくる淡竹(ハチク)がある。
 特に京都の【筍】は、皮に毛が多く、黒い斑点もあり、あくが強くて苦味もある。しかし、味は逸品。

 そんな【筍】の産地は、京都近郊の長岡京。そこに筍料理専門の老舗(しにせ)料亭がある。
 八条ケ池を眺めながら数寄屋づくりの座敷で、旬の筍づくし。

 木の芽あえ/筍のおさしみ/若竹すまし汁/田楽/むしたけ/てんぷら/焼竹/酢の物/たけのこ飯。何もかもが筍なのだ。
 それらの美味を味わいながら、日本の春を感じる情緒ある一時だ。

 以前、そのお裾分けにと、一度外人を招待したことがある。
 感想は――「ノー・テースト」(No taste)。
 つまり、味なしだとおっしゃる。

 旬はなくとも、どうも神戸牛の方がお好みのようだった。
 うーん、なるほど。