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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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26―1 【椿】

 【椿】、音読みで(チン)とも読み、椿山荘がある。
 椿山荘は神田川に面し、南北時代から【椿】が多く自生していたため、つばき山と呼ばれていた。
 その後、明治の山縣有朋が「椿山荘」と命名した。

 【椿】は常緑樹、学名カメリア(Camellia)、18世紀カネルというイエズス会の人がフィリピンでこの花を発見した。ここからカメリアと名付けられた。
 しかし、日本では古くからある。
 光沢があることから「艶葉木」(つやはき)、「光沢木」(つやき)、「厚葉木」(あつばき)と呼ばれていた。

 だが、ここで問題だ。
 【椿】に似た花、山茶花(さざんか)がある。
 どちらがどちらなのか、なかなか見極めがつかない。
 しかし、この違い、実は簡単だ。
 【椿】は花丸ごと落花するが、山茶花は花びらで散る……ということだ。

 実は【椿】、花丸ごと落ちることで、忌み嫌われてきたところがある。
 さらに競馬の世界でも、落馬を連想させるため、馬の名前に【椿】の名は着けられない。
 これには実例がある。
 1969年、第36回日本ダービー、大本名はタマツバキ。
 ゲートが開いてすぐに落馬、本名が飛んでしまった。これ以来、馬名に【椿】はタブーとなったのだ。

 しかし、悪い話しばかりではない。
 椿萱並茂(ちんけんへいも)という四字熟語がある。
 【椿】は長寿の木で「父」、「萱」はわすれ草で「母」。これらが「並茂」、つまり並び繁茂する。意味は父母が健在なこと。

 とにかく【椿】という漢字、他の花に間違えられたり、落ちたり、元気な父になったりで、忙しい漢字なのだ。