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ヤマト航海日誌

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という、それだけなんだ。どうせ今はイジケたことを言ってても、何年かすりゃ高級下着を使い捨てにしたいというだけの理由でバンバラに戻り、〈女アミン〉と呼ばれながらに自分の意に染まない者を吊るして吊るして吊るしまくることだろうさ。こういう女はな、必ずそうなるに決まってるんだ。

それがただのひとりたりとも例外のない人類の歴史というものなんだ。女どもが下着がどうのと言ってる時点でそれがわからんようじゃダメだよ、エラー。そんな女はいっそ殺してバンバラに戻り、その腕で討つべきやつの額をブチ抜け。でなきゃ、ほんとにお前なんか、ただの『ストップ!ひばりくん』で終わりだぞ。

そうだろ、エラー。そうだろ、シン。〈プロジェクト4〉の陰謀なんかおれはどうだっていいんだよ! そっちの方はバカバカしくておれは読めやしないんだから、〈マークIII〉と戦え、〈マークIII〉と! 神崎なんてしょせんアマチュアなんだから、『ヴィナス』のなんとか准将と同じですぐに自滅する。だからほっといていいんだ。ほっとけ。何もしなくていい。

何をどう見てもずっと悪くて本当に叩き潰さねばならんのは〈マークIII〉の方じゃないか。このマンガに出てくるキャラにはどうしてそれがわかるやつがいないんだあっ!

と、『エリパチ』をいま読み直してそう思う。そんなわけで『敵中』よりも『わが青春のアフロディア』がおれは書きたくなったのである。

またコメントへの返信の話になるが、〈ハーメルン〉の感想ページに一度ちょっと書いたようにだからやりたかったのよ。『エリパチ』の〈バンバラ篇〉でのヒロインがライラみたいな女じゃないようなもんを。書けるならばおれは前から書いてみたかったわけなのよ。独立や革命に揺れる小国に「おれには関係ない」なんて言ってる日本人がいて、そこに白人のヤな女がやってきて、しかしやがてこのふたりが民と自然を護るために……なんて具合のもんとしてね。〈ハーメルン〉のおれのページをちょっと探して読んでみたまえ。おれはちゃんと書いてるから。

な。それが、『ヴィナス』の金星の設定を借りたならば書けるじゃん! 『ヤマト』はもういい。40パー書いたんだから充分だ。これ以上続ける必要はまったくない。カネになるなら話は別だが、ならんのなら必要はない。



 これっぽっちもだ。



というわけでこれから『なすび戦記』をどこかで書こうと思います。君らにゃ悪いが君らになんか全然悪いと思ってねーし。

これは『ヴィナス』であると同時に、おれが直す『エリパチ』の〈バンバラ戦記〉になるかもしれないとも思うし。いいなあ。もう。エラーもいいけど、マップとかニップルみたいなやつの出てくる話にしようか。おれの書棚に『チョコレート・パフェ浄土』(梶尾真治・著 早川文庫)って本があり、SF短編集なんだけど、中に一遍、『“希望基地(ホープ・ベース)”にて――』ってのが収録されている。これが金星に人が植民してる話で、読んでみると《金星唯一の生命と認められる耐酸カビ》なんて一文がある。

これだ! こいつを、ちょっといただくことにしよう。そのカビから金星を緑化させる物質ができる。〈ヴィナス・クリーナー〉だな。そのサンプルを、六輪駆動の水陸両用装甲トラックで運ぶのだ。荷台に一台の戦闘バイク。乗るのは我らが主人公。

で、地球の女記者と、ドライバーにスナイパー、爆弾使いのチームでもって、敵の中を突破する。おれ設定の赤道・熱湯の雨地帯やみどり藻サルガッソーの海を抜け、地上空母やミサイル地雷の罠を躱して、最後に重戦車と対決だとか。

そんなところでどうかしらん。まあそのへんは書きながら考えていくものとして、ダメな女は出さんのだからまっとうな敵と味方と理由があってちゃんと最後に決着がつく話になるんじゃないでしょうか。

というわけでそいつを書くので『敵中』は休止。脇に置いてた最初の話に戻るけれども、金星は温室効果で地獄の星だ。絶対にテラフォーミングなんかできない――はずだがけれど、地球人類が今それを確たる事実として知るのはマゼランのためであるという。

『ヴィナス戦記』の封印が解かれたのはサンライズの望月君のおかげである。〈望月〉とはつまり満月のことである。地球が一個の丸い玉であることの確たる証拠を掴んだのは偉大な船乗りマゼランだ。〈大小マゼラン準銀河〉にその名が付いているのはそのマゼランという男が歴史的航海の途中で見た〈雲〉だからだ。

知ったかぶりなおれが図書館で見つけた本には、金星が灼熱地獄と判明したのは『ヴィナス戦記』劇場版公開翌の西暦1990年、NASAのミッションで打ち上げられた探査機〈マゼラン〉が送ってきたデータによってと書いてあった。金星探査は1978年にも行われ、ふたつの〈大陸〉が見つけられ〈イシュタル〉〈アフロディア〉と名付けられているがそのときは地表の温度はわからなかった。

なんと、安彦の『ヴィナス戦記』が原作連載・アニメ化されていた頃には、金星が温室効果の地獄とは学者も知らなかったのである。まともな天文学会でもひょっとして海があり、アノマロカリスやハルキゲニアやピカイアが泳いでいるかもしれないな、いたらいいな、なんてなことを言っていた。例の投書の主も地表の温度については知らず、安彦に教えてやれなくて当然だった。

ということだったのだ。けれども、はてな。『チョコレート・パフェ浄土』には、『“希望基地”にて――』の初出は1987年と書いてあるけど、これどう見ても……。

まあいい。ともかく、準惑星の衝突で冷えたことにしちゃうもんね。自転も24時間になったことにしちゃうもんね。金星の土壌は硫黄だらけのようだ。緑化はだいぶ難しそうだ。けれども〈ヴィナス・クリーナー〉で無害化できるとしちゃうもんね。

硫黄というのも実はそれ自体は無臭で、酸素や何かと結びついて初めて匂いと毒を持つらしい。ペニシリンもミカンをみどりの玉にするカビから出来るが硫黄が含まれているらしい。よくわからんが、ネットでは、おれが何を間違えてもすぐ教えてくれる人がまた出てくれるんじゃなかろうか。

100分間の映画が39分目のとこで、急に主役が「一面みどりに」と言い出し、こっちが「え?」となったところで女が「イヤだ、もうイヤ、そんな話……」

言ってほんとにそれきりのもんは、おれが乗っ取る。もう決めた――というわけで『ヤマト』のリメイクは休止します。〈三杯酢〉の三日月君とか、〈半ライス〉の半月君とかいう人におれを見つけさせるにもずっとその方がいいだろうしね。

これまで『敵中』をご愛読いただいた方、ありがとう。けれどもおれは、テレザート星の前で終わりにするなんていうこともしません。〈ヤマト〉と潜宙艦隊との戦いだけはちゃんと最後まで書いて出すから、安心して読んでいってね。



作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之