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ヤマト航海日誌

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2018.12.28 真面目な顔したギャグ抜きのお話



さてひと目でわかると思うが、今回は特別篇。いつものような真面目な顔したギャグ抜きで論を述べていく所存でおります。だから今回、つまらないかもしれないが、それでも良ければ読んでってくんな。

投稿を始めてそろそろ五年。約束通り古代のやつもエースにしたし、『2202』のテレビ放映もどうやら半分を過ぎたようだ。この日誌も最初の五ヵ月間にたった80しか得られなかったアクセスが2015年に300、16年に600、17年に1600ときて、今年前半に700、後半に2000の閲覧を数えるようになりました。しめてこの歳末に総計5300ですか。トップページの3から6位にランクされるのもしばしばで、そういう日にはその後数日必ずドーンと下がったり、おれより上位が普段より妙に多くアクセスを稼いでいたりもしたけれど、とにかく昔に比べたらずいぶん大きな違いである。

さて来年はどうなるか。〈ハーメルン〉でのデータを見るにやはりフォロワーの獲得率などだけ見れば異常なもので、やっぱり多くが盗むつもりであれを読んでるとわかるのだが、その一方で『冥王星の戦いが終わったところでまとめて読もう、おもしろければ人に話そう』と思ってるのがその数倍いそうでもある。たぶんその後にドッと読まれて、この日誌にも人が流れてくるようになるんじゃないかしらん。

てわけで、今回のこのログは、来年知って読む人達に書くものだ。ゆえにこの年末年始に読む君にはおもしろくないと思うのでここで閉じろよと言いたいのだが、おもしろくないと言えば『2202』。

案の定ひどいねえ……。おれは続きの〈南アラブの羊〉が、こういうものにならんようにと自戒の意味で見てるんだけど、普通の人はあれをどういう眼で見てるのか。

ははは、いやもう、怖いんだよね。さすがに福井と出渕じゃ福井の方が上なんで、油断するとおれもうっかり話を『2202』みたいにしちゃいそうなところがあって、悩んでんだが、あれがねえ。やっちゃいけないことでしょ、すべてが、ことごとく。

まあそもそも出渕が残した負の遺産を受け継いで話を組み立てなきゃいけないと言うのが気の毒なことでもあるが、たとえば、森雪ね。やるのか。過去にまつわる謎を。出渕が中途半端に開けて置き去りにしていったプルトニウムのごとき厄介な廃棄物の処理に果敢に挑むと言うのか。

蛮勇だなあ。やり遂げたなら偉業だなあ。『妖精作戦』の小牧ノブとか、読んでないけど『最終兵器彼女』とやらのヒロインの謎を説明するのと同じくらいに無茶な話じゃないのか。おれにはそうとしか思えんのだが。

『2199』で森雪とユリーシャがそっくりなのは事故に遭ったからだと言われて〈ヤマト〉乗組員の皆が納得する。出渕はそれでスッキリ説明をつけたつもりでいるのだろうが、なんでや、なんで、それが理由の説明になるんや。

それはユキに記憶がないことの理由になっても、過去の一切が不明なことと、ユリーシャにそっくりなことの理由にはならんやろう。ユキが事故以前から軍や政府の人間ならば、履歴書なり身上書なりがどこかにちゃんとあるんじゃないのか。

これを説明するとしたら、ユリーシャはプラナリアのような女で、まっぷたつに斬ったとしてもふたりのユリーシャに再生する。分裂して殖えた女が森雪だ。銃でハチの巣にされても平気で生き返るのは、つまりプラナリアだからなんだ。とでもするしかないんじゃないのか。

しかし土方はユキの両親を知ってると言う。えっ、だったら不明じゃないじゃん。と思うが、どういうわけか、過去の一切を土方はユキに対して話さない。ユキの両親、ユキが事故に遭うまでの話となると彼の口は重くなり、それがためにユキの過去は不明なのだ――って、あのねえ。なんなんですか。

今回はいつもと違っておれはマジメに書いている。ひょっとしてそうは見えないかもしれないがおれはマジメに書いている。いや、本当はいつだっておれはマジメに書いてるんだが、要するに、出渕のやつが思いつくままデタラメな風呂敷をさんざん広げてちゃんとたたまず全部置き去りにしていったため話が矛盾だらけなのだ。『2199』。あんなものを受け継いで、マトモな続編なんか作れるわけがない。

のだが、しかし『2199』は、一部の者には受けがいいようでもあった。〈一部の者〉とは『ヤマト3』とか『完結編』とか『2520』とか『復活編』とかを見て、さらに『復活編ディレクターズカット』なんてものまでブツブツ文句言いながら見てきたような者達である。比較対象があまりに凄いので『2199』がさぞかしよく見えたのだろう。うん、わからなくない話だ。そんな彼らも『2202』にはさんざん文句言ってるようだが。

よく見るよな、あんなもん。おれの場合は言ったように、『よく見ておけ、これはダメだぞ。こういうことはやっちゃいかん』『わかっている。けど怖い。だってやってしまいそうだったんだもん。デスラーに追われてチクワに入り、重力アンカーを解放して――なんてこと、言われりゃ何がしたかったのかわかるじゃないか。それが怖い』などと考えながら見ている。

おれはわかるよ。デスラーに追われてチクワに入り、重力アンカーを解放して――なんてこと、言われりゃ何がしたかったのかおれはわかる。わかるけれども、これが何をしたかったのかわからん者にはこれが何をしたかったのかわかるわけがないじゃないか。ああしかし、おれはそれがわかることが怖いのだ。おれは〈ヤマト〉の旅の話を書いてく上で、こういうことをやらずに済むのか。ええ、大丈夫なのか、と、自分に問わずにいられないのだ。

なまじっか中途半端に福井のやつが出渕よりマシであるのが良くないんだ。『過ぎたるは及ばざるが如し』と言うけどまさにそれで、これではちょっとマシであるためにかえって『2199』以下じゃないか。

しかしチクワ。実はおれ、ほんとのほんとにチクワに入ってデスラー砲で撃たれるのを考えてたんだけど、どうしよう。まさか福井に先にやられるとは。こういうことをやろうとするバカが他にもいやがるとは。福井のやつはまさかおれが反重力感応器を先にやってたなんて夢にも知らないだろうな。知る時が来るんだろうか。

福井が描くところの『ヤマト』。なんだか前に『中二病でも恋がしたい』ってアニメをちょっとだけ見たことがあるんだけど、ズォーダーがあれに出てくる〈ダークフレイムマスター〉と言ったかな、確かそんな名のやつみたいだ。愛に愛して愛気分と言うのだろうか。

この男とサーベラーがどんな妄想世界にいるのか、それは彼らの脳内でだけ繰り広げられる光景だから、おれは見ながらただアッケにとられるばかり。テレザート星侵攻の前に「よもの海みなはらからと思う世になどあだ波のたちさわぐらむ」なんてな歌を詠んじゃったりして、一体どんな意味と言うのか……。

つーか、『2202』と言う話のすべてが実は桂木透子と言うアラサー中二女がふけっている妄想ちゃうの。第十一番惑星と言う田舎でOLやっている地味な女、桂木透子。でも本当のアタシは宇宙大帝の愛人サーベラーであり、ここにいるこのアタシはその分身なのよん、てな感じのさ。
作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之