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　あるところに、ひとりの愛らしい少女がいた。
　彼女は、誰からも好かれていました。
　だって、その容姿はフランス人形のように綺麗だったし、
　その心根は、温かい優しさに満ちていたから。
　そして、なにより 彼女の美しい青い瞳が 人々を魅了していたから。
　それは、まるで 青いビー玉のようでした。

　少女には、姉がひとりいた。
　少女は、両親や友達や街の人、みんなから愛されていました。
　それは、彼女の青い瞳が あまりにも美しかったから。
　彼らは、そんな少女に姉がいることなど とっくの昔に忘れていた。
　少女の後ろで 影のように生きてきた惨めな姉。
　それが、私。

　夜中になると、少女が私のベッドに潜り込んでくる。
　頭を撫でると、甘えたような笑顔を見せる。
　私が部屋の隅で泣いていると寄り添ってきて、
　まるで自分が叱られたかのように一緒になって泣き出す。
　涙に濡れた彼女の瞳が どんな宝石よりも美しいことを、
　私だけが知っている。