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私を呼ぶ声

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小学校の授業が終わり、仲の良かった友達と教室に残ってしばらく喋り、やがて最終下校時刻が近づいたので、私と友達は教室を後にした。
自宅に帰る途中で、別方向に家がある友達と別れ、自宅に着いた頃は、既にあたりは薄暗くなり始めていた。
私の母は、近所の会社でパートタイムの事務の仕事をしている。私が家に帰る前に帰宅していることが多かったが、たまに帰宅途中で買い物をしていて、私の方が先に家に帰ってくることもあった。
だから私は家の鍵を持っていて、学校から帰って来るといつも自分で家の鍵を開けて家に入っていた。
だからその日も、自分で鍵を開け、ドアを開いて家に入った。
玄関の正面にはリビングに続く廊下が真っ直ぐに伸びている。リビングに続くドアは空いていて、リビングは薄暗かった。
玄関の右手は2階に上がる階段があって、2階を見上げると、2階もライトが点いていなくて薄暗いのが分かった。
母が家にいるときはリビングの灯りが点いているので、私は、母はまだ帰ってきてないんだと思いながら、玄関で靴を脱いで家に上り込み、背負っていたランドセルを玄関先に放り出して、リビングに向かった。
私はリビングの入口で蛍光灯のスイッチを入れて灯りを点け、それからキッチンに行って冷蔵庫のドアを開けた。そして冷蔵庫のドアポケットにあった麦茶のポットを取り出し、麦茶をグラスに注ぎ、一気に飲んだ。
よく冷えた麦茶が喉を通り過ぎて胃に落ちると、学校から家まで歩いて来た疲れが吹き飛ぶ気がした。
作品名:私を呼ぶ声 作家名:sirius2014