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メドレーガールズ

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  選手発表



 
「それでは、メドレーリレーの代表者を発表します」

 部活を始めるに前に、水嶋先生は部員全員をプールサイドに集めた。気温も上がり、授業でも水泳が行われるようになった今日、先生は昼からずっとプールから職員室に戻らず、ここで仕事をしていた様子がわかる。
 私とのんたんは既に集合している部員を横目に更衣室に飛び込み、さっさと水着に着替えて集合した。終わりのホームルームが長い私のクラスはいつも最後だ。昨日まで水着に着替えることもなかったのんたんも今日はきっちり復活した。
 結果は既に周知のものなので、驚く事はないけれど毎年繰り返されてきたこの瞬間、緊張感が走り背筋が伸びる。特に今年は自分の名前が呼ばれる予定なので余計に緊張する。
「注目」先生は私達に前を向くよう指示した「公平なトライアルで決めた結果なので、選ばれた者は代表である自覚を、選ばれなかった者も代表を盛り上げつつ個人戦に集中すること。全員で一番を獲りたいと思います」
 全員の大きな返事が揃った。
「呼ばれた者は前へ」先生はメモに目を通す。
「背泳、市田 望」
「はいっ!」
 拍手の中のんたんは堂々と立ち上がった。
「平泳ぎ(ブレスト)、蓮井帆那」
「はい」
 緊張のあまり声が裏返って、周りから笑い声が飛び交い、場が和んだ。
「バタフライ……、新宅真由」
「は……、はい」

作品名:メドレーガールズ 作家名:八馬八朔