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ihatov88の小咄集

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9盗っ人兄弟 4/29



 近所を騒がす盗っ人兄弟、アニキとハチ。二人はこれまで夜な夜な周辺の家に入っては盗みを繰り返し、それで生計を立てている。
 いかんせん弟のハチは盗んだ金をその日の内に使ってしまうほど少々オツムが弱い上に計画性がなくアニキの悩みの種の一つだった。それでも、一人で入るより二人で入る方が効率がいい。それは自称盗みの天才と思っているアニキのポリシーだった。

 今日の獲物は村一番の屋敷。アニキは部屋に忍び込み宝石や時計を狙い、ハチには車庫に置いてあるオープンカーも逃走用に盗むよう指示した。  
「アニキ、大変でやんす」
 不安げにアニキの元へやって来たハチ
「どーした、ハチ」
 オツムが弱い弟にウンザリした様子で答えるアニキ。盗みの現場で焦りは禁物だ。お宝を目の前にして水を差されたようで少々機嫌が悪い。
「クルマが……」
「クルマがどーしたってんだい」
「このクルマ、キーが差さっててドライバーが差せねえでやんすよ」
「なんだとぉ?」
 急いでクルマに向かう二人、確かにオープンカーのハンドルのトコロにキーがささっている。
「バーロー!」ハチの頭を叩く音が車庫に響いた「そういう時はだなぁ、キーを抜いてドライバーを差せばいいんだよ」

「賢いッスねぇ、アニキ!」
「――だろ?」
 盗っ人兄弟、次の獲物はどこへ――。
作品名:ihatov88の小咄集 作家名:八馬八朔