小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ihatov88の小咄集

INDEX|53ページ/93ページ|

次のページ前のページ
 

39世紀の大発明 8/13



 世界的にも稀代の天才科学者と呼ばれるK氏は今まで誰もが思い付かないようなものを発明してきたが、そのあまりに偏った右傾思想のため国内では大賞賛を受けているにも関わらず、外国でも自国をアピールしすぎて他国を平然と批判することから世界では異端者と見られており、彼を出入り禁止にする国さえあるようだ。
「いいワイ、今に見ておれ下賤な民族ども」
 K氏はむしろ開き直るばかりだ。

 携帯電話、そしてロボットのアシモですらすべてK氏の発案によるものだとその国内では言われている。もっと言えば、世界三大発明である火薬と羅針盤と活版印刷などもK氏の先祖が発明したものだという文献まであると言うのだ。
 そんなK氏は大統領の庇護を受け、自由に研究をできる施設を与えられており、日夜研究に没頭していたが、ある日とてつもない発明品を考え付いた。
「これは大統領に報告せねば」
 意気揚々で大統領に報告の準備をするK氏。これが実現すればこの国は世界の先頭に立ち、計画書を広げた。

   * * *

「大統領、私は長年の研究で素晴らしいものを発明しました」
「それは、何でしょう?」
K氏は得意気になって答える。
「タイムマシンです」
「タイムマシンですか?」
「そうです、これさえあれば、わが民族がどれだけ素晴らしいかを過去に戻って証明することができます。そしてわが民族を36年にわたり虐げてきたあいつらの化けの皮を剥がしてやろうではありませんか!」
「うーん」大統領はちょっと考えた。
「それは、やめた方がいいと思うムニダ」

 稀代の科学者K氏の発明はこうして開発が中止された。その理由は彼には知らせてもわからないだろう……。
作品名:ihatov88の小咄集 作家名:八馬八朔