小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ihatov88の小咄集

INDEX|15ページ/93ページ|

次のページ前のページ
 

77秘密の暗号 5/25


   (よかったら9話と45話見てね♪)

 泥棒に入ったアニキとハチ。立派な日本の武家屋敷。部屋の数は両手で足りず、厩舎もあって庭の中にも池がある。お宝がいっぱいありそうなのに探してもいいものが見つからない、しかしアニキは事前にこの家の屋根裏に忍び込んだ時、天井裏で情報を聞いたのだ。
「金塊の置き場所は掛軸に書いてある」と。

 そして弟のハチと忍び込んでたどり着いた床の間、立派な掛け軸にこう書いてあるのだ。

   春風は夏空暑し秋晴の冬雲集う歳峠超え

「……なんじゃこりゃ?」
春夏秋冬一年峠超え?何の暗号か全くわからず頭を抱えるアニキ。コレさえわかれば巨万の富を獲られるかもしれないのに。

「うーん……」
「わっかりやんした、アニキ!」
 そんなアニキをほっといて大きな声で喜ぶハチ。そんなに叫んだら見つかっちまうぞ。
「ハチッ、どこ行くんでえ?」
 ハチは一目散に縁側の方へ走り出した。縁側から庭に出て、飛び石をピョンピョン飛び越え、池を跨ぐ小さな橋の真ん中で立ち止まった。
「アニキ!これですぜ、コレ!」
ハチはしたり顔で橋の擬宝珠(欄干の上についてるネギ坊主みたいなやつね)を擦ると、メッキが剥がれて中から光るほどの金塊が出てきたのだ!

「しかしハチ、何で分かったんでい?」
「だって、オイラそのまま読んだだけですぜ!」
 アニキはハチの言うことがわからず掛け軸をもう一度見た。

   弟がアホで良かったと思うアニキだった。

作品名:ihatov88の小咄集 作家名:八馬八朔