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ミステリー短編集  百目鬼 学( どうめき がく )

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 こんなおどろおどろしい仮説を立てた芹凛、疲れたのかフーと一息吐く。それに百目鬼は「事実は小説より奇なり、ってことか。イヨッ! そこで女鬼さん、芹凛の出番だぞ。極悪狩人の連中に必殺の罠を仕掛けてみろ」とニッと笑う。

 こんな焚き付けに芹凛はしばしの黙考、その後ギラギラと目を輝かせ、鬼神のごとく発す。
「桐坂が持参した隠しビデオとICレコーダー、そこには犯行の一部始終が記録されている。それらは現在、持ち帰ったことがバレて、厄介なことになることを恐れた第一発見者の手元にある。早急に捜査本部が押収する予定。こんなウソ情報を流しましょう。きっと紫月、朱月、幽月は慌て、何らか動き出すでしょう、その尻尾を捕まえましょう」

 これに親指を立てた百目鬼、あとは狩人より恐い鬼の目をぎらつかせ、吠えるのだった。
「罠は漠然ではダメだ。もっと具体的に! 高級人形に内蔵された隠しビデオとICレコーダーとせよ。さっ芹凛、御狩場一族の陰謀、俺たち鬼が絶滅させてやろうぞ!」