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ミステリー短編集  百目鬼 学( どうめき がく )

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 一週間前、百目鬼と芹凛はたまたま地元警察の、次のような事故報告書を目にした。
 アパレル会社の部長職、花坂の遺体が鶯橋から500メートル下流で発見された。岩にぶつけた打撲痕が頭部にあり、橋から転落した可能性が高い。

 花坂は一人合縁奇縁荘に宿泊した。翌朝はまさに一年に七回あると言い伝えられる激しい雨。それでも花坂は午前八時にチェックアウトし、豪雨の方がきれいに因縁を洗い流せると女将に言い残し、天魔堂へと向かった。
 死亡推定時刻は午前九時。天魔堂へは徒歩15分で到着できることから15メートル下の川へと落下したのは帰り道のことだろう。

 橋の上には女将が手渡した二本のペットボトルが残されていた。だが殴打のための凶器はなかった。また客は花坂だけであり、目撃者はいない。
 花坂は落下時、頭部を岩にぶつけ即死、その後流されたと断定できる。