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アナザーワールドへようこそっ!  第一章  【014】

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  【014】



「じゃあ、アイリちゃん……わたしとお兄ちゃんに『特別招待生』のこと、詳しく説明してくれる?」


 と言って、シーナは、アイリに再度、説明を促した。

「わかりました。では、拙い説明ではございますが、わたくし、アイリ・カールトンから『特別招待生』についてご説明させていただきます」

 と、アイリはシーナと俺に向かい、右手を左胸に当て、右足を左足の後ろに引いて、ゆっくりとお辞儀をし、説明を始めた。


「『特別招待生』とは、この人間族の暮らす『中央大陸』を統治している『セントリア王国』の女王陛下である『リサ・クイーン・セントリア女王陛下』が制定したもので、それはこの国の『法律』よりも上位の効力を持つ『女王陛下』直接命令の『勅令(ちょくれい)』により誕生しました……」


『セントリア王国』、『女王陛下』……シーナの機転のおかげで、アイリからいろいろとこの世界(アナザーワールド)の情報が聞きだせそうだ。

 やるじゃないか、妹っ!………………たまには。

 と、思いながら、横目でシーナを見ると、相変わらずの「察し能力」が発動しているようで、両手を「頬つね仕様」でグニグニさせて、こちらをジトリと睨んでいる。とは言え、どうせ後になれば「ど忘れスキル」も発動して忘れていると思うので、俺は「シーナの威嚇」を無視して、アイリの話にまた耳を傾けた。


「――元国王様が創り上げた、この『セントリア王国王立中央魔法アカデミー』は、『魔法士の養成機関』であり、『13歳』以上で、かつ、『魔法の才能に長けた男女』だけが入学を許される養成機関となっています。13歳で入学した生徒は、18歳までの6年間をここで学び、その後、セントリア王国を守る『国防』に関する専門機関へと配属されます。だいたい多くの者は『王立軍』に配属されますが、一部、優秀な人材や、専門的に秀でた者は『専門研究機関』に配属されることもあります」


 アイリは、さすが先ほど自信満々に宣言しただけあって、スラスラと『特別招待生』に関する情報を説明していった。


「――ちなみに、この『セントリア王国王立中央魔法アカデミー』は、『セントラル』と『尊称』されて呼ばれることが多いのですが、これは『セントリア王国』の政治・経済・教育・工業・産業……といった『各種専門分野の中枢機関』が集まる『中央区(セントラル・エリア)』に立地してあることと、セントリア王国内の『中央区(セントラル・エリア)』以外の四つの区……『東地区(イースト・エリア)』『西地区(ウエスト・エリア)』『南地区(サウス・エリア)』『北地区(ノース・エリア)』の中でも、『特に優秀な魔法の才能に長けた人物』だけが『王立中央魔法アカデミー』に入学が許されるという『超・狭き門』『超難関校』ということもあり、同世代の若者だけでなく、大人も含め、周りからは『尊敬と羨望の念』を込めて『セントラル』と呼ばれているわけです。ちなみに、中央区以外の四地区のアカデミー出身者は『イースト』『ウエスト』『サウス』『ノース』と『地区名』で呼ばれます。これにより、アカデミー生は相手の『出身校』を聞けば、『ある程度の力量』を推し量ることができるというわけです………………一部、例外もありますが」


 へー、何だかよくわからないが、とりあえず、入学が難しい学校なんだな……「王立中央魔法アカデミー」って。

 隼人はまるで『他人事』のようにアイリの説明を聞いていた。

 今のところ、隼人はまだ『自分の位置(ポジション)』が理解できていないため、『他人事』に聞こえるのは無理もないかもしれない……が、しかし、横にいるシーナはすでにこの時点で『察し能力』が働き、『自分たちがこのアナザーワールドの世界で置かれている位置(ポジション)』に対し、有る程度理解できたようで、少々、顔が青ざめていた。


「――そして、そんな『超難関校指定』である『王立中央魔法アカデミー』の中でも、ハヤト様、シーナ様のような『特別招待生』というのは、この『中央区(セントラル・エリア)』に居を構える『王立中央魔法アカデミー』……通称『セントラル』の中でも、『リサ・クイーン・セントリア女王陛下』の『勅命』で創設された『特別枠』であり、それに選ばれるのは『女王陛下自らが選抜した者のみ』となります」


 ふむふむ………………えっ?


 他の四地区よりも『超難関校指定』されている『王立中央魔法アカデミー』、通称『セントラル』の中でも、さらに『リサ……なんとか女王陛下が厳選した生徒』のことを『特別招待生』と言って、それが『神』が俺とシーナをこのアナザーワールドで学校に通うために『用意したもの』ってことだよな……。


 あれ……?

 でも、これってなんか……、

 非常に周りから…………、


『浮いたポジション』じゃありませんこと?


 さすがの鈍い隼人も、やっとアナザーワールドでの『己の位置(ポジション)』が見え、同時に、その位置(ポジション)がいかに『トラブルに巻き込まれ臭』がプンプン臭うか、ということも理解してきたのであった。

 すると、その時、隼人は森の入口に入った時に『媒介役(メディエーター)』についてシーナと話していたとき、『争い事は避けたい』ということを言ったら、シーナが『呆れ顔でため息』をついたのを思い出した。


(あのとき……シーナが『呆れ顔』と『ため息』をしたのは、こういうシチュエーションが起きるのをある程度予想していたから……ということか)


「――そして、『特別招待生』として選ばれた生徒は、将来は『女王陛下』を誰よりも近くでお守りするという『側近魔法士(ボディーガード)』という栄誉を与えられるのです…………以上ですが、他にご質問はありますか? シーナ様」


 と、ここでアイリの『特別招待生』の説明が一通り終わった。