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ダンガンロンパ・ファンタジック/リロード-Chapt.1-1

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コロシアイ学園生活 2日目



翌日の深夜2時半ごろ。


長いビデオを観終わった香は、恐怖におののいていた。


「……こ、こんなのが……今の私の世界?」


その状況を一言で言うなら、"世紀末"。
妖怪、怪物が跋扈し、人間が隠れ住む荒野のみが続いて映されていた。


私にとっては、これは"人を殺す動機"ではなく、"ここに残る動機"だ。


"帰りたくない"


その思いは、人を殺す想いなど簡単にへし折り、
ここに残る、外に出ない想いを強く与えた。


「私にとっては、ここでずっと暮らすって、実は……悪くないことなのかな……」

そう思いながら、彼女は眠った。








"逃げてばかりでは、ダメだぞ。香"



ビデオを止めず放置していた香が、
テレビからそんな言葉を聞いたのは今にも寝ようと思った時だった。


「え……お父さん!?」


その言葉はどこか懐かしく、粗っぽい響き。
直感で、彼女の死んだ父のものだと思った。


"逃げることも大事だが、
人にはどうしても譲れない事がある時は、
たとえ何を犠牲にしたとしても、自分が犠牲になったとしても、
やり遂げなければいけないことがある。
俺はそういうことを娘に伝えたかったが、時間が無かった。
そこの魔女さんよ、よければ村雨 香って言う俺の娘に出会ったら、
この言葉、きかせてやってくれねぇか?
死にゆく者からの、最後の遺言ってやつだ"




香の心は変わった。


そして、学園長を見直した。

期待させておいて絶望させてきたと思ったら、こんなサプライズなんてずるい。

香は涙を隠しきれず、安らかに眠った。

このビデオは大事にしよう。
死んだ父の、大事な言葉を思い返す為に。