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覇王伝__蒼剣の舞い1

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 年は二十五、腰まで伸ばし放題の髪と日焼けした肌、軽く武装しているものの兵士でなく、どちらというと傭兵の類。
 「清雅さま、そんなに堂々と」
 「本当の事じゃねぇか」
 「聞こえますって。未だ蒼国領内じゃないんですよ」
 「俺は構わないぜ、白虎(びゃっこ)。ここで一暴れしても」
 「やめてください。火に油です」
 「ま、蒼国(うち)に黒抄を迎え撃つ戦力ないのは知ってるが」
 月明かりを頼りに森を進みながら、彼らは一路、蒼国・王都を目指していた。
 彼ら__特に清雅は、黒抄国の親衛隊に命を狙われている。
 僅か数分の内に五人を倒してから、また一段とその刺客は増えたような気がする。
 無理もない。黒抄最強を誇る親衛隊所属の人間をあっさりと倒されて、黒抄が黙っているわけがなかった。
 しかも、倒した男は蒼国の人間となれば。
 「清雅さま」
 「また出たか」
 白虎同様気配に気づいた清雅が、嫌そうに眉を寄せた。
 「___四獣聖の蒼龍、白虎だな」
 「だったらどうする?」
 完全に戦闘モ−ドに入った清雅は、剣を抜くと同時に飛躍していた。