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アインシュタイン・ハイツ 102号室

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 と、するとさっきのはなんだろう。寝ぼけて変な夢でも見たのだろうか、それにしては生々しすぎる夢だった、と俺は愕然と床を見つめて、そして。
「なんか様子がおかしいなぁ……カズキくん、熱でもあるんじゃないですかって、うわ、熱ッ!ちょ、カズキくんすごい熱あるよ、これ!」
「へ?熱ってそんな、大げさな」
「何言ってんだ、大げさなんかじゃないって!多分三十八度以上あるよ、この感じじゃ!」
 ため息をついた志摩さんが、怪訝に俺の額に手を当ててびっくりしたように叫んだ。志摩さんの言葉に俺は軽く笑ったのだが、ミドリさんが目を見開いて廊下に上がって来るのを見ている間に、ぐらりと視界が歪む。
 さっき目眩がしたのは、どうやら寝起きの所為だけではなかったようだ。ここ最近の不摂生が、勿論祟っていたのだろう。ああ、やばい、倒れる、と思った瞬間には膝からがくんと力が抜け、志摩さんに縋るような形になりながらずるずると廊下にへたり込んだ俺は、立ち上がる事も出来ずにがんがんする頭を抱えて、大きな溜息をついたのだった。