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漢字一文字の旅  第三巻

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二の五  【命】



【命】、神のお告げを受ける人の形の「令」と、祝詞(のりと)の入った器の「口」とが組み合わさった漢字だとか。
ここから神から与えられるものが【命】なのだ。

♪♪
いのち短し 恋せよ少女(おとめ)
朱(あか)き唇 褪(あ)せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日の月日は ないものを

これは「ゴンドラの唄」、大正4年、劇団 ・芸術座公演の『その前夜』における劇中歌。
それを黒沢明は映画「生きる」のラストシーンで、余命幾ばくもない市役所の課長に、小雪舞う中、ブランコに乗りながら歌わせた。

確かに思う──いのち短し 恋せよ少女(おとめ)──だと。

さらに、ここにベートーヴェンの言葉がある。
  私にはどんな障害をも乗り越える決心がある。
  何人に対しても、臆することなく力比べができる。
  私は「運命」の首を絞めてみせる。「運命」には絶対伏しない。
  生きるということは、なんて美しいことなのだろう。

運命、我々は神から与えられた【命】をコントロールできない。
しかし、ベートーヴェンはこんな思いで……、交響曲第5番「運命」を作曲したのだろう。
だから、いのち短し 恋せよ少女ってなものではなく、「運命」の首を絞めてみせると、ダダダダーンで始めたのかな?

いずれにしても凡人にとっては……【命】あっての物種、
【命】が付く漢字、「寿命」を大事にしたいものだ。