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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

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第三章

 

 タッタッタッタ。
 なんで、どうして……。
 ネオは全速力で、学生校舎から左側にある専門教室校舎へと向かった。
 実緒(みお)が無理矢理押し隠していた『不安』を確かめるために。
 下駄箱で別れた時の気の沈んだ顔が、頭の中で鮮明(せんめい)に蘇る。
 嫌な予感が、現実となっていく――。

 ――ネオが彼女に違和感を覚えた三日後。
「じゃあ、二年一組の出し物はこれに決定します」
 総合祭(そうごうさい)委員を中心とした話し合いで、総合祭の出し物が小さな子供たちにも楽しんでもらえるように、教室を使って『すごろくゲーム』を作ることに決定し、その準備で実緒とマスの絵を描こうと思ったのだが……。
 彼女は突然、クラスから姿を消したのだ。彼女の座っている席には、前から誰もいなかったと思えるくらい、ごく自然と。
 最初は風邪でも引いていたのだろうと思った。そう思いながら、二日、三日、そして四日目が経過。