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15m走

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キキーーーー!!!!と車が急ブレーキする音がする。
俺に車が近づいてくる。
あと10m、5m、1m。
俺の視界が回転する、と同時にメキャと骨が折れる音がした。
俺は20mくらい吹っ飛ばされ、気を失う。

痛っ!
あれ?
ここは・・・あぁ病院か。天国じゃないか。よかった。
ベッドの上を横にしている。俺は助かった。だが、ひとつ問題があるぞ。
来週は体育祭。
今俺は肋骨5本と両腕が骨折、だが奇跡的に両足はアキレス腱は切れただけで来週の体育祭の目星、全員リレーには出れる。というか中学最後の体育祭くらい出たい。
なので俺はリハビリで頑張った。まず、足のトレーニング。軽いおもりを上げ下げする奴。
それを3日間やった。そして最初は車いすでないとだめだったが今は、杖ありだが歩けるようになった。
さらいリハビリを続け、5日目。
俺の部屋に院長がやってきた。
「君は走りたいんだね?」と聞いてきたので俺の答えはもう轢かれた日から決まっている。
「うん」と、俺はうなずく。
「なら君が今走っていい距離がある」
「は?」
「君は5mしか走れない。それ以上走ったら2度と走れない、いや歩けないかもね」
「ちょ!なんで5m!?てゆうか俺は100m走り切りたいの!せめて10mでもいいから!」
「だからリハビリをがんばりなさい。そうすればもしかしたら走れるかもね」
というと、院長は俺の部屋から出て行った。
「ちっくしょ~!ふざけた野郎だ!なめやがって~!見てろ!俺は走るぞ!」
そう宣言してから2日後、要するに体育祭当日。
最後に院長に言われた言葉、「君は7mだね、今走れる距離は」そういっていまこの校庭のどこかに居る、はず。
今、最初の種目が始まった。そしてあっという間に全員リレーの番になった。
俺は特別に15mの間を走ることになった。
今スタートした。俺は次の次だ。
そして俺の番、バトンを貰う。俺は足を引きずるように走る。
もう少し、あともう少しで10m地点。あと7mのところで足に激痛が走った。まるでナイフで足の関節を切るかのように。痛い、そう思いながら俺は走る。正確には歩いてるのと変わりなかった。
あと3m、1m。そのところで俺は痛すぎて気絶した。
俺が目が覚めたのは体育祭が終わってから。
みんなには色々と心配の言葉が飛び交ってきた。だが問題は俺の脚が先ほどから動かないことだ。俺の担当の医者さんは真剣な顔で両足を見る。それから5分後。
「よくやった!足も無事だし、リハビリしだいでいつかちゃんと歩けるようになる!」
作品名:15m走 作家名:DG4