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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer.

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プロローグ:出発



   ※この章は乙愛視点で物語が進行する。
   ※第一章の全シーン、乙愛の立ち絵は表示しない。

■章タイトルの表示

   ※フェードイン

   ※章タイトルの表示

   ※フェードアウト

■2070年の宮島(以下、未来の宮島) 街地区 紫色の粒子が充満している宮島の街並み 夏 昼(紫色の空に充満している)

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵は表示しない
   ※フェードイン

   2070年7月。

   ※防護服で歩く音

   ガシャ、ガシャ、ガシャ……。

【???】「ふう……なかなか見つからないな」

   私――佐伯乙愛(さえき おとめ)は、廃墟となった近未来化した街並みを歩いている。
   かつて、世界遺産に登録され、歴史・文化の街として栄えた島――宮島。
   今はそれを証明するものはどこにもない。
   世界遺産であった厳島神社もボロボロでその意味をなくし、昭和時代のような瓦屋の家はすべて建て替わり、山も削られ、沢山のビルディングがそびえ立つ。
   古風な雰囲気を失い、宮島は近未来化した街へと変貌を遂げた。
   その代償が――。

■未来の宮島 街地区 暑がる二人 夏 昼(紫色の空に充満している)

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵は表示しない

【乙愛】「にしてもこの防護服、夏は天敵だな……」

   そう。防護服なしでは外へ出ることが不可能となったのだ。
   まるで宇宙飛行士にでもなった気分だ。
   赤い防護服を着ているためか、中の灼熱度は、2、3倍増している気がする。

【???】「まったくですよ。ただでさえ暑いのに、さらにこんな厚い服を着ないと行けないなんて……年寄りにはこたえますわい」

   私の隣にいる、青い防護服を着た丸峰(まるみね)がぼやく。
   丸峰は佐伯家の執事をしている。
   61歳ながら、この真夏に防護服を着ることができるその根性、ある意味尊敬する。
   なぜこんな暑い服装で外に出ないといけないのか。
   それは――。

   ※すぐにCGが切り替わる

■未来の宮島 街地区 空に浮かぶ紫の粒子 夏 昼(紫色の空に充満している)

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵は表示しない

【乙愛】「すべては、この粒子だな」

   五年前、人間たちの欲望による環境破壊によって、突然地表から湧き上がったこの粒子――負源粒子(ジャーム)による汚染が原因だ。
   元々は人間には見えることのない粒子なのだが、汚染により濃度があがっており、人にも見えることが昨年の研究調査で分かった。ある意味、放射性物質に近いところがある。
   そしてもうひとつ――。

   ※青い防護服を着た丸峰の立ち絵を表示。驚く

【丸峰】「お、お嬢様!」
【乙愛】「む……」

   ※横ワイプ(さっと暗くなる)

■未来の宮島 街地区 石造りの階段 風の塊、現る 夏 昼(紫色の空に充満している)

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵は表示しない
   ※横ワイプ(さっと表示する)

   今なお残っている石造りの階段を上ろうとした瞬間、目の前に緑色の――風の塊が宙に浮いている。
   この超常現象によるのも、人が住めなくなった理由の一つだ。

【乙愛】「ようやく現れたか、絶好の実験対象が!」

   ※すぐにCGが切り替わる

■石造りの階段 六角形の機械 夏 昼(紫色の空に充満している)

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵は表示しない

   私は防護服のポケットから、中心に青いレンズが埋め込まれた六角形の小さな装置を取り出す。

【乙愛】「試させてもらうぞ!」

   ※フェードアウト(さっと暗くなる)

■未来の宮島 街地区 石造りの階段 風の刃、発射 夏 昼(紫色の空に充満している)

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵は表示しない
   ※フェードイン(さっと表示)
   ※画面が上下に揺れる
   ※風の刃が発射される音

   ドゴ―――――ン!!
   塊から照射された風の刃が私たちに向かって勢いよく放たれる。

   ※横ワイプ(さっと暗くなる)

■未来の宮島 街地区 石造りの階段 夏 昼(紫色の空に充満している)

   ※横ワイプ(さっと表示)
   ※青い防護服を着た丸峰、驚愕する

【丸峰】「ひいいぃっ!!」

   ※青い防護服を着た丸峰の立ち絵を表示しない

   慌てて、私の後ろに隠れる丸峰。
   これでも男なのだろうか、とたまに思う。

【乙愛】「案ずるな。……はああああああっ!!」

   風の刃がくる瞬間、私はあの六角形の装置を塊にかざした。
   すると!

   ※すぐにCGが切り替わる

■未来の宮島 街地区 石造りの階段 透明な防御壁で風の刃を封じる乙愛 夏 昼(紫色の空に充満している)

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵は表示しない
   ※風の刃と防御壁がぶつかり合う音。
   ※画面が揺れる。

   ズギャギャギャギャ……、

   ※立ち絵を表示しない

【丸峰】「ひゃあっ!」

   丸峰がびっくりして尻餅をつく。
   驚くのも無理はない。
   私たちは六角形の装置から展開された、透明な防御壁に守られたのだから。

【乙愛】「やああああああああっ!!」

   ※画面が光り出し、すぐにCG切り替わる

■未来の宮島 街地区 石造りの階段 透明な防御壁で風の刃を封じる乙愛 夏 昼(紫色の空に充満している)

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵は表示しない
   ※防御壁で二つに分断される音

   ズギャアアアアアアン!

   風の刃は防御壁によって二つに分断され、そのまま空を切った。

   ※フェードアウト

■未来の宮島 街地区 石造りの階段 夏 昼(紫色の空に充満している)

   ※フェードイン

【乙愛】「ふむ。成功だな」

   ※青い防護服を着た丸峰、放心状態

【丸峰】「……」
【乙愛】「ん?」

   丸峰が、固まっている。
   ……。
   はあ……。

【乙愛】「……少しは克服したらどうだ?」

   苦笑を浮かべながら、手を貸す。

   ※青い防護服を着た丸峰、ヤケになる

【丸峰】「に、苦手なものは、苦手なのです!」
【乙愛】「だったら、来なければいいじゃないか」

   ※青い防護服を着た丸峰、手を前に出す

【丸峰】「いけませぬ! それでもいかなくてはならないのが、わたくしの仕事なのです。お嬢様をちゃんとお守りしろと旦那さまから言われたのですから!」
【乙愛】「……」

   ※青い防護服を着た丸峰、首を傾げる

【丸峰】「どうかなさいましたか?」
【乙愛】「……い、いや。ちょっと引っかかってな。父さんからお守りしろと言われているのに、立場が逆転しているのは、気のせいなのか、と……」

   ※『ガガ――ン!』というショックな音
   ※青い防護服を着た丸峰、ショックを受ける
   ※青い防護服を着た丸峰の立ち絵が上下に揺れる

【丸峰】「……!」