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八峰零時のハジマリ物語 【第一章 003】

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  【003】


「お前……何者だよ」

 まあ、どうせ聞いたところで会話にはならないんだろうがな。
 そう思ったが、そんなことはなく「フード野郎」は俺の質問に対して答えた。
《ワタシ……ハ……アク……マ……デ……ナノ……ダ……コロシテ……ヤル……クダサ……イ》
 答えたのはいいが、いまいちわからない内容だった。
 え? 悪魔? 今、『悪魔』っつったのか?
 殺してやる? ください? 殺してください? どっちだ? てゆうか悪魔って……。
 俺のほうもだいぶ混乱していた。
 すると「フード野郎」が口を開いた。
《ぼ……僕は……この悪魔に……魂を……喰われた……どうか……僕を殺して……くれ》
 今、口を開いた「フード野郎」の声色は、さっきのとは違い「マトモな人間」のような感じだった。
 な……何? 今、何って?
 殺してくれ? い、いやいやその前に『悪魔に魂を喰われた』……そういったのか?
 まるで理解できなかった。
 当たり前だ。
 すると、また「フード野郎」は口を開く。
《ギ……グ……ゲゲッ……オマエノ……タマシイ……イタダ……ク》
 そういうとヤツは体勢を低く構えた……と思った瞬間、消えた。
「消えた!」と思った瞬間、ヤツは俺の目の前に顔を近づけた状態でそこに立っていた。

…………

…………

――そして、

 そこから俺の記憶は消えていた。