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八峰零時のハジマリ物語 【第一章 001】

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「第一章 ただ無口で目つきが悪いだけの八峰零時くん。」


  【001】


 別に――

 俺は、人助けをしたかったわけじゃない。

 ただ、そんな「場面」に出くわしたとき、気づいたら身体が動いてた。

 ただ、それだけだったんだ。


 キーン、コーン、カーン、コーン……。

「さあ、帰るべ、帰るべ」
「零時~、帰ろう~」
「わりぃ~、俺、生徒指導の神沼に呼ばれてんだ」
「ああ、昨日の。はっはっは……そりゃ気の毒にな」
「ほっとけ!」
「それじゃあ、それまで待ってるよ」
「いいって、いいって。どうせ説教プラス何か作業させられるに決まってっからさ。遅くなるだろうから、先、帰っててくれ」
「ボクは構わないよ、遅くなっても」
「いや、いいって遊馬」
「そうそう――下手したら俺たちまでその作業を手伝わせる羽目にもなりかねんだろう~?」
「高志、何かテメーに言われると腹立つんだ……が」
「あ、ヒイキ、ヒイキ~」
「もぉっ! 変な言い方しないでよ、高志。わかった、じゃあ、ボクたち先に帰ってるね」
「おお。悪いな、遊馬」
「ううん、気にしないで」
「何だ、お前ら…………気持ち悪っ!」
「高志、てめぇ~」
「……」
 横で、頬を染めてる遊馬…………って、おい!
「やべっ! 先、行くぞ、遊馬。零時、じゃあな~、頑張れ~」
「うっせ! お前は早く帰れ!」
「あ、うん。じゃあね、零時」
「おう、また明日な」

 そういうと二人は、足早に去っていった。

 小学校のときからの付き合いで、特技が「減らず口を叩く」というふざけた男、「那智高志(なちたかし)」と、中学校のときに知り合って以来、俺の「自称ファン」というちょっと何を考えているのかわからない(ときおり怖い)、「葛西遊馬(かさいゆうま)」……二人は、口下手な俺の「数少ない友達」だ。
 俺は、昔から無口で目つきも悪いから周りは近づかないし、逆に近づいてくる奴らはみんな「目つきが悪い」だの「態度がデカイ」などと因縁をつけてくる「不良」ばかりだ。
 でも、あの高志と遊馬は、そんな俺を怖がることなく普通に接してくれた。今では冗談を言える仲にまでなった。あいつらがいたおかげで、俺は腐らずにここまでマトモにやってこれたと思ってる。
 だから、俺はあいつらのことをすごく大事にしてる――「かけがえのない親友」ってやつだ。
 もし、あいつらがこの先、困ったり、助けを求めることがあれば、俺は、全力で、俺の持てる力のすべてをもってあいつらを助けに行くし、それで「死ぬこと」があっても、それは……本望だ。

 そんな――二人に面と向かっては絶対に言えないようなことを考えつつ、俺は生徒指導室に足を運んだ。

――このとき、誰が想像できたであろう。

――俺が今日「死ぬこと」になるなんて。