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即興小説あっぷあっぷ
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novelistID. 26805
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犠牲の犠牲

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今回はでかい整形のお話。
 実に大きな代償を払った。今回の案件は、過去に前例のない話であったので技術的に懸念が多かったのだが、彼は見事にやりきった。整形、と言っても顔ではない。
 俺の体に、触手を生やしてくれ。
 今回の依頼はこれだった。相当にでかい案件だ。というか、普通なら正気を疑う。そういう性質の悪いいたずらは、迷惑千万、普通ならここでつっ返す所だ。
 だが、自称マッドサイエンティスト・ドクターである彼には心躍る事態だった。
 こいつはいい、貴様を実験体にしてやろう。
 ああ、やってほしいのだ――ッ。
 こうして、触手を生やしてほしいと言った男の腕は、麻酔もせずにやすやすと切断されてしまった。男は何が起きたのか解らず、ドクターの、革新には犠牲が付き物だという良く解らないつぶやきが聞こえたと思ったのを最後に、泡を吹いて倒れた。辺りは血の海だ。周りには、看護婦もいない。だから、この医者が本当に医者であるのか、そんなことはどうでもいい。
 触手を生やしたい。男の願いをかなえてやろうではないか。この私が育てた宇宙オクトパクラーケン、こいつは生物に寄生して触手を生やすと言う事が生きがいと言うろくでもない生き物だ。こいつの幼生を貴様の傷口に植え付けてやる、すると。
 瞬く間に、男にぬらぬらと触手が生えた。不気味だ、傷口の血管に沿った神経から寄生したのか、伸びた触手は床に落ちていた彼自身の腕を捉え、元通りにつながった。肩の傷口も奇麗に消えた。どう考えても、こんなのは手術ではない。土台無理があると言うものだ。なにせ、自称マッドサイエンティストのドクターは、腕を切断しただけであとは宇宙オクトパクラーケンに一任している。ヤブである。
 被験者、と言った方がいいのであろうか、彼の名誉のためにここはあえて患者と呼ばせてもらおう、患者の男は目を覚ますと、自分の両腕がいつもの通りついているのに、安堵した。
 触手はどこに。
 自分の中にいるそいつに聞いて見ると言い。きっと答えてくれる。
 患者の男は、手の平を見つめ念じた。すると、指先から触手が生えてきた。先端部はまるで男性生殖器を模したような形をしている。緑やらピンクやら青やら、不気味に手かっているそれを見て、患者の男はとても嬉しくなった。
 手始めに、ドクターを犯した。
 ぎせいはおおき