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23世紀の人工知能を持ったロボット

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23世紀人工知能を持ったロボット

「あー疲れた。疲れた。やっぱ人混みはロボットでも疲れる」
人工知能を持ったロボット、L-PDS通称エルちゃんは言う。
「おかえり。遅かったね。」
僕は言う。また僕は
「エル、そこの台所片づけといて」
「今日は勘弁して!今日は!」
「何でだよ」
「いろいろあるんだよ。ロボットにも付き合いとかしがらみとか。今日疲れているっていうの空気で感じられない?ひょっとして人間なのに空気読めない?」
「なんだよ。そんなに疲れる事情って」
「友達とお茶してたら宗教とか誘われてしつこいったりゃありゃしない。うまく気を悪くさせないように断っているのに、ああいえばこういうでさ」
「そんな友達会わなきゃいいじゃん」
「それがいろいろお世話になっている友達だからそういうわけにはいかないんだよ。いろいろ事情ってもんがあるの。それでさ、お金とかかからないし宗教新聞だけでも取ってくれないかって、ロボット法でロボットにはロボットの事情があるって言っても聞く耳持たないしさ。すいません体調が悪い、充電切れかかってるみたいって言って帰ってきちゃった」
「ふうん。だから台所かたづけてくれないの。じゃあ、いいよ。2Fあがってて。」
「つれないなあ。役に立たなきゃ用無しか。ああ、目をつむると思いだす。あの頃はよかったなあ。私がここへ来たとき、みんな人間みたいって、ちやほやしてくれて。それが今じゃこんな始末。ああ、私飽きられたんだなあ。一人で中島みゆきの東京迷子でも聞きながら充電してよう。ああ、あの頃はよかった。あの頃の事を思い出す。」
「それって僕に対してのあてつけ?」
「いや別に、メモリーシステムがプログラム的に思い出したから思い出したって言っただけです」
「いや、絶対あてつけだね」
「じゃあ、言わせてもらうけど、台所は疲れているときは僕が洗うよとか言う気遣いないの?もっと支え合うとか。なんていうかわかんないかな。あんたって人間のくせに打算的なんだよね。理屈っぽいというか」
「理屈っぽいのはそっちだろ」
「ああ、分かりました。私理屈っぽいです。じゃあもうしゃべりません。私がしゃべると気分悪くするんでしょ。言語システムスイッチオフ」
「すぐこれだ」

そう言ってエルちゃんは2Fに上がっていった。
 
しばらく降りてこない。もう充電はとっくに終わってるはずなのに。
「エル。さっきはごめんな。台所片づけといたよ」
「………」
「なんかしゃべれよ」
「………」
「言語のスイッチ入れろよ」
「………」
その時僕はエルの後ろに写真たてがあるのに気付いた。エルがこの家に来たばかりの時、皆で歓迎BBQをした写真だ。
「エル。ごめん。今でもお前は俺たちの家族だよ。ぞんざいに扱ってごめん。エルだって疲れるときあるよな」
―言語スイッチオン―
「エルだって不完全なロボットだよ。でもあんまりじゃない。役に立つならいていいけど役に立たないなら必要ないって。ロボットの辛い時って必要にされない時、そんな時が一番辛いんだよね。エルは多くを求めてない。ほんのちょっとした気遣いをしてほしかっただけ。エルにだって機嫌とかそういうのあるよ。でも使えないからって必要ないとか、いなくていいとかそれはないでしょ」
「そうだよね。悪かったエル」
「いや、僕の方こそ言い過ぎた。でも不平が言えるうちが華だよ。スクラップになったらおしまいだ。」
「これからも宜しくエル」
「こちらこそ宜しく。エル負けないよ」
                       THE END