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フェリオス年代記996

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フェリオス年代記996 1の月 プロローグ




雪景色の中、60名ほどの兵士が行軍していた。皆まだ若く十代半ばをすぎたばかりだ。
騎乗の者は5名、残りは全員徒歩であり、緑色に染めた長方形の布の中心の穴に頭を通した軍衣を腰のベルトで止めたものと、緑色のフード付マントを身につけていたが、騎乗の5名のうち2名が貴族や騎士のみに許される自家の紋章のついた軍衣とマントを身につけていた。

一人は先頭を進む白地に斜めの黒い斧の紋章の騎士、もう一人は部隊の最後尾に馬を進ませる白地の下半分に薔薇の紋章の描かれた騎士である。 彼らはフォッジアス王立兵学校混成第4小隊、総員60名の一年から三年までの各兵科の混成部隊であり、年2回、夏期と冬期に行われる国内を行軍、警備任務につく冬期国内警備実習の最中であった。